IBMとMeta、50以上の組織と「AI Alliance」結成 OpenAI、Microsoft、Googleは参加せず
IBMとMetaが中心となり、50以上の組織が参加する“オープンで安全で責任あるAI”推進団体「AI Alliance」が結成された。日本からもソニーや東京大学が参加している。Microsoft、OpenAI、Google、Anthropic、Amazonは不参加だ。
米IBMは12月5日(現地時間)、米Metaと共に「AI Alliance」を立ち上げ、世界中の50以上の組織が創設メンバーとして参加したと発表した。このアライアンスは「オープンで安全で責任あるAI」の推進に焦点を当てた「コミュニティ」だとしている。
創設メンバーには、Intel、AMD、ソニー、ソフトバンク(傘下のSB Intuitions)などの大手の他、Stability AI、Hugging Faceやsakana.aiなどの新興企業、ダートマス大学、東京大学、慶応大学などの大学が名を連ねるが、Microsoftとその出資先のOpenAI、Google、Anthropicは参加していない。
不参加の4社は7月に、AIの安全性のベストプラクティスを特定し、社会的課題へのAI技術の利用を促進するための新しい業界団体「Frontier Model Forum」(FMF)を立ち上げている。なお、Amazonはいずれの団体にも参加していない。
AI Allianceは発表文で、AIの急速な進歩により、人々の働き方、生活、学習、相互交流の方法を改善できる新たな機会があらゆる場所に生み出されているが、これを活用するには、安全性、多様性、安全性を優先した方法でAIを活用するために必要なツールを提供するために、可能な限り幅広いAI研究者、構築者、導入者に力を与えるオープンで透明なイノベーションが必要だと語った。
このアプローチは(閉鎖的なアプローチよりも)、AI開発によってもたらされるリスクを特定し、危険なシステムが世に出るまでにリスクを軽減するのにも役立つとしている。
アライアンスは、AIシステムの開発を支援する評価基準やツールなどのリソースを開発する計画という。
関連記事
- GoogleのトップAI研究者2人、東京でAI企業Sakana.ai立ち上げ
Google出身の著名なAI研究者2人が東京でAI企業Sakana AIを立ち上げた。リオン・ジョーンズ氏は生成AI革命のきっかけとなった2017年の論文の著者の1人。論文著者8人中、最後のGoogle在籍者だった。 - AIの4社(Anthropic、Google、Microsoft、OpenAI)、安全なAI目指すフォーラムFMF立ち上げ
米国のAI主要企業であるAnthropic、Google、Microsoft、OpenAIは、新フォーラム「Frontier Model Forum」(FMF)を立ち上げた。AIの安全性のベストプラクティスを特定し、社会的課題へのAI技術の利用を促進するのが目的としている。 - OpenAIやMetaなどAI大手7社、米連邦政府に「責任あるAI開発」を“自主的に”約束
米連邦政府はAIを手掛ける7社の代表をホワイトハウスに招集し、AIの安全性、セキュリティ、透明性の高い開発に向けた取り組みを支援するため、これらの企業から自主的な取り組みを確保したと発表した。 - 百花繚乱の大規模言語モデル その現状まとめ【2023年4月末版】
米OpenAIが独占的に提供する大規模言語モデル(LLM)に対し、さまざまなLLMが登場している。特に注目はオープンで自由な大規模言語モデル「Dolly-v2」だ。さながら現在は「不自由な大規模言語モデルと自由な大規模言語モデルの小競り合い」が起きている状態だ。 - 「GPT-4より強力なAIの開発を直ちに停止せよ」──公開書簡にマスク氏やウォズニアック氏が署名
非営利のAI研究組織FLIは巨大AI実験の一時停止を求める書簡を公開した。「GPT-4より強力なAIの開発を少なくとも6カ月停止せよ」としている。マスク氏やウォズニアック氏、「サピエンス全史」のハラリ氏などが署名済みだ。 - OpenAI、AGI(人間より賢いAI)へのロードマップを公表 「世界に深刻な害を及ぼす可能性」回避のために
会話型AIサービス「ChatGPT」を手掛けるOpenAIは、AGI(Artificial General Intelligence;汎用人工知能)実現のロードマップを公開した。同社はAGIを「一般的に人間より賢いAIシステム」と定義する。AGIが世界に害を及ぼさないよう、公開協議が必要としている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.