Google、企業と開発者向け「Gemini Pro」提供開始
Googleは、新しい生成AIモデル「Gemini」のミドルサイズ「Gemini Pro」を企業と開発者向けに提供開始した。「Vertex AI」と「Google AI Studio」で利用できる。まずは無料で提供し、将来的には“競争力のある価格”にする計画。
米Googleは12月13日(現地時間)、6日に発表した生成AIモデル「Gemini 1.0」のミドルサイズモデル「Gemini Pro」を企業と開発者向けに提供開始したと発表した。
企業には「Vertex AI」で、開発者には「AI Studio」で提供する。まずは無料で提供し、将来的には“競争力のある価格”の有償になる見込み。有償になっても企業向けGPT-4よりかなり安い。
Geminiはマルチモーダルだが、Gemini Proはテキストのみをサポート。別途、プロンプトに画像も使える「Gemini Pro Vision」も提供する(出力はテキストのみ)。日本語にも対応する。
Python、Android(Kotlin)、Node.js、Swift、JavaScriptをサポートするSDKも利用できるので、Gemini Pro搭載のアプリの開発も可能だ。
企業顧客はノーコードで自社データを使ってアプリを構築できる。Googleは例として、不動産企業がGemini Pro Visionを使って、販売する住宅の室内写真を入力し、自社のWebサイトに掲載する紹介テキストを生成するデモを披露した。
Googleは、「顧客からの入力/出力に基づいてモデルをトレーニングすることはない」と強調する。
Gemini Proは既にBardの英語版にも搭載されている。ハイエンドでマルチモーダルな「Gemini Ultra」は2024年に企業向けに提供を開始する計画だ。現在は「微調整、安全性テスト、パートナーからのフィードバックの収集」などで準備しているという。
Googleはまた、文章から画像を生成する拡散モデル「Imagen 2」も発表した。
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