プログラミング支援AIサービスが主要各社から出そろう 各サービスのまとめ GitHub/AWS/Google/GitLab/JetBrains
AIがプログラミングを支援してくれるサービスが主要各社から出そろった。改めて主要各社のプログラミング支援AIサービスをまとめる。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「プログラミング支援AIサービスが主要各社から出揃う、各サービスのまとめ。GitHub/AWS/Google/GitLab/JetBrains」(2023年12月18日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
AIがプログラミングを支援してくれるサービスが主要各社から出そろいました。
Publickeyではこれまで各社の発表時点でそれぞれのサービスを紹介してきましたが、ここであらためて主要各社のプログラミング支援AIサービスをまとめます。
本記事では、各AIサービスごとの主な機能などをリストアップしています。ただし、実際にはAIに指示などをすれば品質の差異はあれどおそらく何らかの結果は返ってくるであろうこと、この分野は急速に進化していて各社とも積極的な能力向上と機能追加を行っていくであろうことから、現時点で機能差はあったとしてもそれほど顕著な違いとは言えないでしょう。
そして、おそらくは今後各社のコード生成関連のAIの能力はある程度十分な高さまで急速に到達して、能力や機能面での差別化は難しくなってくるのではないでしょうか。
そうなったとき、プログラミング支援AIサービスの差別化ポイントとしては、ユーザーインタフェースおよび基盤となるサービスとの統合や連携も含めた使いやすさや、プログラミングだけでなく、サードパーティなどの外部ツールの利用も含むソフトウェアのライフサイクル全体を包括的にAIが支援してくれるなど、AIを前提としたエコシステムが重要になってくるのではないでしょうか。
GitHub Copilot
価格別の主な機能
(Copilot Individual)
- コードの補完や生成
- チャットでの対話による質問やコード生成(GitHub Copilot Chat、β版)
(Copilot Business)
- 上記の全機能およびCLIでのアシスト
- コード内の脆弱性の指摘
- パブリックなコードと一致するコードの検出や表示
(Copilot Enterprise)
- 上記の全機能およびドキュメントを基にした質問に対する回答
- プルリクエストのサマリ
- コードレビュー
- 組織のコードに合わせたファインチューン
対応環境:Visual Studio Code、Visual Studio、Vim、Neovim、JetBrains IDEs、Azure Data Studio、GitHub CLIを用いたコマンドライン環境。GitHub Webサイトとモバイルアプリにも対応予定
価格(価格表)
- Copilot Individual :月額10ドル/年間100ドル
- Copilot Business:1ユーザー当たり月額19ドル
- Copilot Enterprise:1ユーザー当たり月額39ドル(2024年2月開始予定)
参考記事:
[速報]GitHub Copilotが外部ツールと統合可能に。DBのクエリ性能の状況もフィーチャーフラグの状態もCopilotが答えてくれる。GitHub Universe 2023
[速報]GitHub、開発サイクルの全場面でCopilotを提供する戦略。モバイルアプリ化、GitHub.comサイト上での提供など発表、GitHub Universe 2023
AWS CodeWhisperer
価格別の主な機能
(Individual)
- コードの補完や生成
- 学習元コードと一致した場合の通知(リファレンストラッキング)
- コードセキュリティスキャン(月間50回)
- コマンドライン統合
- チャットでの対話による質問やコード生成(Amazon Q in CodeWhisperer、プレビュー)
(Professional)
- 上記の全機能およびコードセキュリティスキャンが月間500回
- 組織のコードを学習(プレビュー)
対応環境:IntelliJ IDEA、PyCharm、WebStorm、Rider、Visual Studio Code、AWS Cloud9、AWS Lambdaコンソール、JupyterLab、Amazon SageMaker Studioなど
価格(価格表)
- Individual:無料
- Professional:1ユーザー当たり1カ月19ドル
参考記事:
AWSのコード生成AI「CodeWhisperer」、生成モデルのカスタマイズが可能に。社内の独自ライブラリやAPIを生成コードに組み込める新機能がプレビュー公開
AWSの知識を学習済みの「Amazon Q」は、AWSのシステム構築にどう役立つのか? AWS re:Invent 2023
[速報]古いJavaや.NETのコードを最新のJavaにAIが自動変換する「Amazon Q Code Transformation」、AWSが発表。AWS re:Invent 2023
Google Duet AI for Developers
主な機能
- コードの補完や生成
- コメントからのコードの生成
- チャットによるコードの生成やコードの説明、単体テストの生成など
- 社内コードの学習によるカスタマイズ(2024年第2四半期予定)
対応環境:Visual Studio Code、Cloud Shell Editor、Cloud Workstations、IntelliJ IDEs、PyCharm
価格(価格表)
- 1ユーザー当たり1カ月19ドル(2024年2月1日まで無料)
参考記事:
Google、AIによるコード補完やコード生成を実現する「Duet AI for Developers」正式リリース。数週間以内にGeminiを採用へ
GitLab Duo Code Suggestions/Duo Chat
価格別の主な機能
- コードの補完や生成
- テストコードの生成
- セルフマネージド環境でも利用可能
- AIとのチャットによるコードの生成、コードの説明
- テストコードの生成
- Issueのサマライズ
対応環境:Visual Studio Code、Visual Studio、JetBrains IDEs、Neovim、GitLab Web IDE
価格(価格表)
- GitLab Duo Code Suggestions:無料/GitLab Free Tierで利用可能
- GitLab Duo Chat :問い合わせ/GitLab Ultimateで利用可能
参考記事:
GitLabがGoogle CloudとAI分野で提携、AIをGitLabツール群に統合。コードの自動生成、コードにある脆弱性の説明、コードレビュアーの推薦など実現
JetBrains AI Assitant
主な機能
- コードの補完や生成
- コードの説明
- AIとのチャットによるコード補完やコード生成
- リファクタリングの提案
- 他の言語への変換
対応環境:IntelliJ IDEA、PyCharm、PhpStorm、ReSharper、およびその他の JetBrains IDE
価格(価格表)
- Pro:月払い月額1200円/年払い月額1000円
参考記事:
JetBrains、GitHub Copilot対抗の「JetBrains AI Assistant」提供開始。AIによるコード生成やリファクタリングなど。月額1000円から
関連記事
- GitLabがGoogle Cloudと提携 AI機能の提供加速 コードの自動生成、コードにある脆弱性の説明など
米GitLabがGoogle CloudとAI分野で提携。Google Cloudが提供するAI機能の「Vertex AI」などにより、GitLabのツール群にAIによる開発者の支援機能を組み込んでいく方針を明かした。 - GitHubのAIプログラミング機能「Copilot」がneovimとIntelliJ IDEAでも利用可能に
GitHubのAIプログラミング機能「GitHub Copilot」が、「nervim」と「IntelliJ IDEA」でも利用可能になった。これまでは「Visual Studio Code」のみに対応していた。 - GitHub、Copilotの将来像「Copilot Workspace」発表 人間がコードを書くことなく、Copilotが仕様作成からコード作成 デバッグまで実行
米GitHubの年次イベント「GitHub Universe 2023」が米サンフランシスコで開幕。同社CEOのThomas Dohmke(トーマス・ドムケ)氏は1日目の基調講演の最後に、GitHub Copilotの将来像となる「Copilot Workspace」を発表しました。 - AWS版「GitHub Copilot」な「Amazon CodeWhisperer」が正式版に 個人ユーザーは無料、VSCodeに対応
AWSが、コメントの一部などからコードを自動生成してくれるサービス「Amazon CodeWhisperer」を正式版に。個人ユーザーは無料で利用できる。 - GitHub、コードの脆弱性を発見後に修正コードまで自動生成してくれる「Code scanning autofix」発表
米GitHubの年次イベント「GitHub Universe 2023」が米サンフランシスコで開幕。1日目の基調講演で、GitHub Copilotが脆弱性のあるコードを自動的に修正してくれる「Code scanning autofix 」を発表し、発表と同時にプレビューが公開された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.