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文化遺産の屋外プール、完全に干上がる──能登半島地震の“海岸隆起”で 東大地震研が現地写真を公開
東京大学地震研究所は、令和6年能登半島地震で生じた海岸の地殻変動の調査結果を公開した。岩礁を切り下げて作った屋外プール「鴨ヶ浦塩水プール」が存在したが、地面が隆起し、完全に干上がった様子を確認したという。
東京大学地震研究所(地震研)は1月17日、令和6年能登半島地震で生じた海岸の地殻変動の調査結果を公開した。石川県輪島市光浦町から同河井町で確認した海岸隆起の写真を公式サイトに掲載しており、隆起によって名所のプールが干上がった様子が確認できる。
輪島市輪島崎町の竜ヶ埼灯台周辺には、岩礁を切り下げて作った屋外プール「鴨ヶ浦塩水プール」が存在し、文化遺産にもなっている。しかし地震によって地面が隆起し、海面より高い位置に移動した結果、完全に干上がっていたという。「波食棚」と呼ばれる平たんな岩棚も、広範囲で貝・海藻類と共に海面より上に位置しており、地震研は約2.2mの隆起が生じたと推定している。
また、輪島市輪島崎町竜ヶ崎でも同様に約1.4mの隆起が生じたと説明している。
地震研によれば「今回推定した隆起量の分布は、竜ヶ埼灯台周辺をピークに東西に減少する傾向を示し、人工衛星『だいち2号』の観測データ解析によって暫定的に推定された地殻変動とおおむね整合的である」という。今後も被害状況に考慮した上で、地殻変動の調査を続けるとしている。
地震研は、能登半島地震で生じた地面の隆起を調べるべく、2日から能登半島北部の海岸を調査している。5日には、隆起に伴って石川県輪島市の漁港付近で海岸線が海側に約250m前進したことも報告した。
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