被災地にポータブル電源を提供して分かったこと 課題は「どう届けるか」から「どう事前に備えてもらうか」へ Jackeryが報告
能登半島地震の被災地にポータブル電源2600台を提供した支援活動についてJackery Japanが報告。道路が寸断された状況でいかに届けるかや、フェーズが刻々と変わる中でニーズも変化することなどを伝えている。
ポータブル電源メーカー・米Jackery日本法人Jackery Japanは1月17日、1日に起きた能登半島地震の被災地にポータブル電源260台を提供した支援活動について、Webサイトで詳しく報告した。
道路が寸断された状況でいかに届けるかや、フェーズが刻々と変わる中でニーズも変化すること、本来は、避難所開設と同時に利用できることが理想で、震災が起きてから届けても遅いという意見をもらったことなどがまとめられている。
同社は1日の地震被害を受け、3日にポータブル電源とソーラーパネルの無償提供を決定。プレスリリースとSNSで告知したところ、その直後から支援依頼が届き始めたという。同日中に、能登に向かう人の車にポータブル電源を積んでもらい、支援がスタートした。
4日以降、「提供する商品はあるものの、道路状況が悪く、一番被害が深刻な奥能登のエリアに届ける方法が浮かばず、頭を悩ませた」という。知り合いのボランティアなどと連絡を取り、彼ら車やヘリで現地入りするタイミングで運んでもらったそうだ。
支援を続ける中で、「できるだけソーラーパネルとセットにしてほしい」というニーズや、衛星インターネットサービス「Starlink」(スターリンク)の電源として利用したいというニーズが見えてきた。
徐々に二次避難も始まり、12日には避難所の人数がかなり減るなど、状況は刻一刻と変化。一方で、避難所に行けず自宅などで孤立している人からのニーズがあることも分かったという。
ボランティア団体の代表にヒアリングしたところ、「ポータブル電源は避難所を開設した時にあるのがベスト。ポータブル電源があれば、スマホで安否確認ができる。起きてから届けても遅いと感じた」と意見をもらったという。
同社は「どう届けるかを日々考えていたが、どうやってポータブル電源を知ってもらい、事前に備えてもらうか」「持ち運べるソーラーパネルの存在をどう知ってもらうか」などが課題になったと総括している。
【訂正:2024年1月18日午後3時40分:初出時、被災地に提供したポータブル電源の台数を2600台と誤って記載しておりました実際は260台でした。お詫びして訂正いたします。】
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