花粉情報、今年は飛散量の“表現”に注意 「極めて多い」追加で新旧表記が混在
スギ花粉のシーズンが始まった。毎日の花粉飛散量チェックを欠かさない人も多いはずだが、今年は少し戸惑う場面もあるかもしれない。
スギ花粉のシーズンが始まった。日本気象協会によると東京都でも2月9日にスギ花粉の飛散開始が確認され、2月下旬にはピークを迎えるという。この時期になると毎日、花粉飛散量のチェックを欠かさない人も多いはずだが、今年は少し戸惑う場面もあるかもしれない。
これまで花粉の飛散量は「少ない」「やや多い」「多い」「非常に多い」の4段階で伝えられてきた。これは1平方cmあたりに何個の花粉があったかで飛散量をランク付けしたもので、例えば「少ない」は10個未満、「非常に多い」は50個以上だ(ダーラム法と呼ばれる計測方法の場合)。
この基準は、1989年に日本花粉学会がアレルギー協会と協力して定義したもの。花粉飛散量の計測は、地方自治体や日本気象協会のような団体の他、ウェザーニューズ社などの民間企業も手掛けているため、ニュースとして伝える際に視聴者が混乱しないよう表現を統一した。
しかし基準の策定から30年以上が経過し、花粉数が当時の2倍以上になる地点も増えてきた。このため日本花粉学会は2023年12月、新たに「極めて多い」(1平方センチメートルあたり100個以上)というランクを設け、全体で5ランクにする改訂を行った。同時に従来は「50個以上」だった「非常に多い」は、「50個以上、100個未満」に変わっている。
改訂を受け、早速ウェザーニューズなどは新しい5ランク表示を採用した。しかし日本気象協会は「今シーズンはランク追加を行わず、2025年シーズンに追加を予定している」という。つまり今シーズンに限り、4ランクと5ランクの表示が混在することになった。
確かに日本気象協会の花粉情報ページの他、そのデータを採用しているLINEヤフーの「花粉情報 2024」などは4ランクを継続している。一方、ウェザーニュースのWebサイトやアプリの他、東京都保険医療局のWebサイトなどは5ランク表示に変わった。
今はまだ花粉の飛散が始まったばかりなのであまり違いは感じられないが、飛散量がピークを迎える頃になると日々のニュースでも盛んに飛散量が伝えられる。同じ日付、同じ地域なのに「非常に多い」というニュースと、「極めて多い」というニュースの両方を見ることになるかもしれない。
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