Anthropic、AIチャット「Claude 3」を3サイズで 日本語力も向上
Anthropicは、AIチャット「Claude 3」を発表した。「Opus」、「Sonnet」、「Haiku」の3サイズ(Opusが最大)で、Haiku以外は同日提供を開始した。無料版ではSonnetを利用でき、Claude Proにアップグレードすれば最大のOpusを利用できる。
米AI企業Anthropicは3月4日(現地時間)、AIチャット「Claude 3」を発表した。「Opus」、「Sonnet」、「Haiku」の3サイズ(Opusが最大)で、Haiku以外は同日提供を開始した。claude.aiとClaude APIで利用できる。
無料のclaude.aiは本稿執筆現在、既に「Claude 3 Sonnet」になっている。月額20ドルの「Claude Pro」にアップグレードすれば「Opus」を利用できるようになる。
コンテキストウィンドウは、最大20万トークン(約15万ワード、または500ページ以上のドキュメント)を受け入れる。Anthropicによると、Opusは「AIシステムの一般的なベンチマークのほとんどで、米OpenAIのGPT-4や米GoogleのGeminiなどの競合するシステムを上回る性能を発揮した」という。また、「複雑なタスクでは人間に近い理解力の流暢さを示し、一般知能の最前線をリードする」としている。
昨年7月にリリースした「Claude 2」と比較して、分析と予測、微妙なコンテンツ作成、コード生成、スペイン語、日本語、フランス語などの非英語での会話能力が向上した。2023年8月までのデータでトレーニングされている。
Haikuは「市場で最も迅速かつコスト効率の高いモデル」で、約1万トークンの情報やデータが密集した研究論文を3秒未満で読み取れるという。SonnetはClaude 2よりも2倍高速で、より高い知能レベルを持っている。Opusは速度はClaude 2と同等だが、「はるかに高い知能レベル」という。
さらに、Claude 2までは理解しきれない質問に対して回答を拒否することが多かったが、「システムのガードレールに近いプロンプトへの回答を拒否する可能性が、以前のモデルより著しく低くなった」という。
それでも、「AIの能力の限界はまだ遠い」とし、パフォーマンス向上と同時に安全性のガードレールがそれに確実に追いつくようコミットしているという。
なお、Claude 3はマルチモーダルではあるが、プロンプトとして入力した画像について説明することはできても、画像を描くことはできない。
Anthropicに出資する米AmazonのAWSは同日、バージニア北部とオレゴンのAWSリージョンのAmazon BedrockでClaude 3 Sonnetを利用できるようにしたと発表した。
Claude 3の料金は以下のとおり。Claude 2は100万入力トークン当たり8ドル、100万出力トークン当たり24ドルだった。
- Opus:100万入力トークン当たり15ドル、100万出力トークン当たり75ドル
- Sonnet:100万入力トークン当たり3ドル、100万出力トークン当たり15ドル
- Haiku:100万入力トークン当たり0.25ドル、100万出力トークン当たり1.25ドル
【更新履歴:2024年3月5日午後5時40分 Opusの価格に誤りがありました。お詫びして訂正します。】
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