コラム
60年前の電卓を見てきた 初号機からマウスと合体した“変態”モデルまで、キヤノン電卓勢ぞろい(4/4 ページ)
世の中で最初に浸透したデジタルガジェットといえば電卓だろう。そんな電卓を作り続けているメーカーの1社がキヤノンだ。2024年10月で発売から60年を迎えるにあたり、メディア向けに説明会を開催。初号機が見られるというので、品川の本社まで出向いてみた。
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現行のハイエンドモデル「KS-1220TU」。3キーロールオーバーに対応し、タイプ音が静かなのが特徴。キートップはUVコーティング印刷されており、摩耗に強くなっているという。裏面のゴム足も大型タイプで、机の表面をガッチリホールドしてくれる
好調とは言えない電卓市場だが……
最近の電卓市場は、下降傾向にある。2019年に454万台あった国内市場は、2023年には330万台に下落。少子化で教育現場での需要が減り続けているのに加え、さまざまなビジネスツールの登場、コロナ禍を経てリモート・ハイブリッドワークなど、出社機会が減少していることなどが主な要因と考えられるという。
今後も市場が回復する見込みは薄いものの、専用機ならではの明快さであったり、税率計算などユーザーニーズにそった商品の需要は底堅いという。「代替となるデジタルツールが増える一方、アナログの良さが見直されているシーンも少なくない。市場のニーズに合わせた変革と、長年ご好評をいただいている点の維持を両立した、長く愛される製品を届けたい」(キヤノンマーケティングジャパン)としている。
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