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コラム

鉛筆描きの漫画をWeb連載──「キャプテン翼」の新たな挑戦は“原点回帰”(1/2 ページ)

「キャプテン翼」の連載終了とともに発表された「ネーム形式」による新連載。どういうものになるのか。

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 集英社と漫画家の高橋陽一さんは4月3日、翌4日発売の「キャプテン翼マガジン Vol.20」をもって「キャプテン翼」の連載を終了すると発表した。今後は「ネーム形式」で、新しいWebサイト「キャプテン翼WORLD」にアップしていく。


「キャプテン翼マガジン Vol.20」 ©高橋陽一/集英社

 ネームは「漫画の設計図」などと言われる漫画の工程の1つで、一般的には原稿用紙とは別の紙に、鉛筆でコマ割からセリフ、人物の配置、表情などをおおまかに描いたものを指す。漫画の全体像が把握できるため、プロの場合は編集者との打ち合わせでも重要になる。

 とはいえ、本来のネームは、下書き以前のたたき台。読者に見せるものではないため、出版社とプロ漫画家の施策としてはかなり大胆だ。

 高橋さんはかねてより年齢による執筆スピードの衰えを感じ、漫画連載の代わりに最終回までの内容をネームでまとめると表明していた。それを一般にも公開する、というのが今回の発表の本質だろう。

ネームとは似て非なる「ネーム形式」

 ネームの段階で登場人物や背景をどこまで描き込むかは漫画家さんによって異なるが、ほとんどの場合はラフの域を出ない。セリフも殴り書きになりがちで、担当編集者が頭を抱えることだってある。


ラフなネームの実例(画像提供:キャプテン翼大好き漫画家のサダタローさん)

 しかし公開された「ネーム形式」のサンプルを見る限り、キャラクターの表情まで描き込んでいて、セリフはしっかり活字(フォント)だ。ネームというよりは、時間が足りずに下書きを掲載してしまった漫画に近い趣がある。

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