Googleの「Gemini 1.5 Pro」採用メモアプリ「NotebookLM」、日本でも利用可能に
Googleは、昨年7月に米国でリリースしたAI活用メモアプリ「NotebookLM」を日本を含む200カ国で公開した。ユーザーが指定したソースのみをグラウンディングに使うので、「ピザに接着剤」のような問題は発生しなそうだ。
米Googleは6月6日(現地時間)、昨年7月に米国でリリースしたAI活用メモアプリ「NotebookLM」を日本を含む200カ国で利用可能にしたと発表した。2月リリースの生成AIモデル「Gemini 1.5 Pro」を搭載するなど、複数の機能が追加された。
Googleアカウントで公式サイトの「Try NotebookLM」ボタンをクリックすると利用できる。
NotebookLMは、ユーザーが選択した情報源だけに基づいて、事実の要約、複雑なアイデアの説明、新しいつながりのブレインストーミングを行うことができる「仮想リサーチアシスタント」とGoogleは定義する。
ユーザーが情報源を指定するので、最近問題になった「AI Overview」のように「皮肉や荒らしコンテンツを掲載したフォーラム」からの情報を引用して不正確な出力をすることはなさそうだ。
新しい「ノート」を作成する際、「グラウンディング」用のソースを選択する。ソースとしては、Googleドライブ、PDF、テキストファイル、コピーされたテキスト、Webサイト(URL)を指定できる。
Gemini 1.5 Proのマルチモーダル機能により、ソース内の画像やチャートに関する質問にも応える。
ソースを選択すると、データに基づく要約を表示し、その下のプロンプト枠で質問できるようになる。回答の文末には数字のついたラベルが表示され、ラベルにカーソルを合わせるとその文の根拠となるソースの部分が表示される。
また、ソースに基づいて、FAQ、ブリーフィング資料、学習ガイドなどの形式に変換する機能も追加された。
上の画像は、本稿筆者がNotebookLMに関するGoogleの2件の公式ブログのテキストと、アイティメディアのGoogle I/Oの記事のURLをソースとして指定したものだ。日本語設定のGoogleアカウントでは回答が日本語で表示されるが、日本語の記事へのURLの内容は元記事がシフトJIS形式の日本語テキストをUTF-8エンコーディングとして解釈されてしまったために文字化けしているが、内容は反映されている。
なお、GoogleはユーザーがNotebookLMにアップロードしたソースをモデルのトレーニングに使用することはないとしている。
Googleは、NotebookLMの活用例として、ブレインストーミングやコミュニティ向けの広報、創作活動を紹介した。
スティーブ・ジョブズ氏やイーロン・マスク氏の伝記で知られる作家のウォルター・アイザックソン氏は、執筆中のマリー・キュリー博士の伝記のためにNotebookLMを活用しているという。
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