Google、高精度天気予報「ナウキャスト」日本で提供 ウェザーニューズのデータで学習したAI採用
Googleは、最新AIモデル「MetNet-3」採用の高精度気象予報システム「Googleナウキャスト」を日本で7月から提供すると発表した。ウェザーニューズの数年分の観測データをAIの学習に使い、5分刻みの降雨予測も示す。
Google日本法人は6月19日、最新のAIモデル「MetNet-3」を使用した高精度な気象予測システム「Googleナウキャスト」の日本での提供について発表した。7月からGoogle検索とAndroidのホーム画面で利用できるようになる見込みだ。
このシステムの開発で、日本の民間気象会社、ウェザーニューズと提携した。ウェザーニューズは、2005年からユーザーから天気に関する写真や情報を収集する「ウェザーリポーター」という取り組みを行っており、長年にわたり高解像度の気象実況データを蓄積してきた。このデータが、MetNet-3の精度向上に大きく貢献したという。
Googleナウキャストは、従来の物理ベースの予測モデルとは異なり、過去の観測データから気象パターンの推移を学習し、シミュレーションなしに将来の気象パターンを直接予測する。このAIモデルに、ウェザーニューズが長年蓄積してきた高解像度の気象実況データと、日本の天気に関する専門的な知見を組み合わせることで、従来よりも正確で詳細な天気予報の提供が可能になったとしている。
また、AIを使って過去の観測データから直接予測できるようになったため、従来の予測モデルでは1時間以上かかっていた予測計算が1秒で完了するようになった。
Metnet-3は、3キロメートル四方の範囲で5分間隔の雨量予測を最大12時間先まで提供する。
過去5年分のウェザーニューズのデータには予期せぬ雨の情報も多数含まれているため、このデータで学習したモデルでは今後、予期せぬ雨にも対応できるようになるかもしれない。
この6月にウェザーニューズの代表取締役社長に就任した石橋知博氏は記者発表会で、「ウェザーニューズは、2年連続で外部調査会社から天気予報の精度ナンバーワンに認定されており、今後も様々なパートナーシップを通じて、天気予報の精度向上にこだわっていきたい」と語った。「優れた技術やデータがあっても、社会実装されなければ意味がない。Googleと協力して社会実装を進め、社会貢献を果たし、気象災害の軽減に貢献していきたい」(石橋氏)
なお、Google Nowcastは米国および欧州の一部の地域で先行して提供している。米国では2分間隔で、欧州では15分間隔で予測を提供している。日本での提供にあたっては、天気予報がGoogle検索で最も頻繁に検索されている項目の1つであるという日本におけるニーズに合わせ、欧米とは異なるインサイトが盛り込まれているという。
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