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Xの青バッジはDSA違反──欧州委員会が予備的見解 「法廷で戦う」とマスク氏
欧州委員会はXに対し、DSA(デジタルサービス法)に違反しているという予備的見解を示した。ブルーの認証済みバッジや広告でユーザーを欺いているとしている。Xのオーナー、イーロン・マスク氏は「法廷で戦う」とポストした。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は7月12日(現地時間)、米Xのブルーの認証済みバッジ(通称青バッジ)がEUの「Digital Services Act(DSA:デジタルサービス法)」に違反しているとして同社に予備的見解を示したと発表した。
これに対し、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏は「欧州の皆さんが真実を知ることができるよう、公の法廷で戦うことを楽しみにしている」とポストした。
欧州委員会は昨年12月にXのDSA調査を開始した。
欧州委員会が問題にしているのは、以下の3点だ。
- ブルーの認証済みバッジは認証済みとなっているものの、金を支払えば誰でも取得できるため、ユーザーを欺いている。悪意ある人がこれを悪用してユーザーを欺いている証拠がある
- 広告に関する必要な透明性に準拠していないため、ユーザー保護に必要な監視と調査ができない
- DSAでは一定の条件下で外部の研究者に公開データへのアクセスを提供するよう定めているが、提供していない
Xがこれらの問題に対処しない場合、欧州委員会は同社に対し、世界での収益の最大6%の罰金を科す可能性がある。
欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー執行副委員長は「われわれの見解では、Xは主要な透明性の分野でDSAに準拠していない。(中略)DSAは透明性を中核としており、われわれはXを含むすべてのプラットフォームがEUの法律に準拠することを確実にさせる所存だ」と語った。
欧州委員会は、米TikTokと米MetaもDSA違反の疑いで調査中だ。
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