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欧州委員会、TikTokをDSA(デジタルサービス法)違反の可能性で調査開始
EUの欧州委員会は、TikTokがDSA(デジタルサービス法)に違反している疑いがあるとして、正式な調査を開始した。「ウサギの穴効果」の可能性や未成年保護方法などを調べる。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は2月19日(現地時間)、中国資本の米TikTokが、EUの「Digital Services Act(DSA:デジタルサービス法)」に違反している疑いがあるとして、正式な調査を開始したと発表した。
調査の焦点は、TikTokが搭載している年齢確認ツールや未成年向けのプライバシー設定など、プラットフォームでの未成年保護がDSAが定める義務を順守しているかどうかだ。欧州委員会は、TikTokのアルゴリズムが、行動依存症を誘発するいわゆる「rabbit hole effects(ウサギの穴効果)」を引き起こしている可能性も懸念している。
違反が確認された場合は、世界での年間売上高の最大6%の罰金を科す可能性がある。
DSAは、オンラインサービス分野で消費者と企業により優れた保護を提供することを目的とした法律。MAU(月間アクティブユーザー数)が4500万人以上のサービスプラットフォームをVLOP(超大規模オンラインプラットフォーム)およびVLOSE(超大規模検索エンジン)と定義し、透明性向上や偽情報対策を義務付けるというものだ。現在以下のサービスがVLOPおよびBLOSEとされている。
- VLOP:Alibaba AliExpress、Amazon Store、Apple AppStore、Booking.com、Facebook、Google Play、Google Maps、Google Shopping、MetaのInstagram、MicrosoftのLinkedIn、Pinterest、SnapのSnapchat、TikTok、Twitter(現X)、Wikipedia、GoogleのYouTube、Zalando
- VLOSE:MicrosoftのBing、Google Search
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