炎天下の車内に放置したモバイルバッテリーが発火 夏の“ガジェット事故”、NITEが注意呼び掛け(2/2 ページ)
製品評価技術基盤機構(NITE)は7月12日、モバイルバッテリーや携帯用扇風機など、夏での使用に注意すべき3つの製品事故について注意喚起した。いずれも発火の可能性を持つもので、事故を防止するためのポイントを紹介している。
携帯用扇風機(ハンディファン)の発火事故も
リチウムイオンバッテリーを採用した製品で最近事故が増えているのが携帯用扇風機(ハンディファン)。落下など外部から強い衝撃が加わると、電池内部が破損する可能性があり、破裂や発火につながる恐れがあるという。2020年に発生した事例では、充電中の扇風機付近から異音がして出火、焼損したという。原因についてNITEは「リチウムイオン電池が内部ショートして異常発熱し、焼損したものと考えられる」としている。
NITEは、リチウムイオン電池が異常発熱する原因について「(落下など)外部からの衝撃で、リチウムイオン電池内部の正極、負極を隔てる絶縁フィルム(セパレーター)が破れ、ショートすることにより異常発熱が起こり、内圧が上昇して電池が破裂・発火する場合があります」と説明。強い衝撃を与えてしまった後に、充電できない、充電中に異常に発熱する、外装が膨張し変形している、不意に電源が切れるなど、異常を感じた場合は直ちに使用を中止すべきとしている。
また、異常が発生した場合は、発火・破裂などの事故に備え、携帯用扇風機を金属製の缶などの保管容器に入れて保管することを推奨。もし発火した場合は、消火器での消火や大量の水を掛けるなど被害の拡大を防ぎつつ、大きな火炎により対処が困難と判断した場合は、直ちに避難するとともに119番通報するよう説明。あわせて事業者による必要な措置が取られるまでは、ごみとして廃棄しないよう呼びかけている。
NITEではこの他、バーベキューなどのアクティビティなどに欠かせない火起こしについて、着火剤を継ぎ足してやけどを負った事例として、2003年に発生した事故も紹介している。公園でバーベキューを楽しみ、一旦中断した後、再開しようと残り火があるところにゼリー状の着火剤を使用したところ、「ボン」という音とともに2〜3m離れた場所にいた衣服が燃え、他の2人も軽いやけどを負ったという。
着火剤はメチルアルコールを主成分としたもので、揮発性があり引火しやすいことから、わずかな炎であっても、着火剤に火がつく前に揮発成分に引火し、続いて着火剤が急激に燃焼されることによって飛び散るなどの可能性があるという。NITEによると、製品本体には燃焼中の継ぎ足しを禁止する旨が表示されているものの、残り火がある状態で継ぎ足したため、着火剤が急激に燃焼し飛散した炎が衣服に着火したものと考えられるという。
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