なんと11年ぶりの復活 富士フイルムの小型軽量カメラ「X-M5」の素性と狙い:荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/3 ページ)
なんと「X-M5」である。先日配信された富士フイルムの「X Summit」で登場した新製品の型番だ。思わず「そのシリーズって見たことあるけど、いつだったっけ?」と調べちゃったほど懐かしい名前であった。
見た目的には、X-E4を小さくしてEVFを省いたモデルっぽいが、コンセプトはちょっと違う。むしろ、EVFを省いて四角いデザインにした「X-S20」に「X-T50」の機能を加味した新しいデザインのカメラという方が近そうだ。
ただし、ボディ内手ブレ補正はない。小型化と低価格化のためだろうが、それはちょっと残念な点だ。
センサーは「X-TRANS CMOS 4」で、画像処理エンジンは「X-Processor 5」とX-S20と同じものを採用している。
超シンプルなボディの天面を見ると左肩にX-T50で採用されたフィルムシミュレーションダイヤルがある。画作りを楽しんでくださいというカメラだ。
フィルムシミュレーションには、誰でもすぐその効果を感じられるものがいくつかあり(クラシッククロームなど)、カメラを初めて使う人にも分かりやすい。さらにコンパクトながら被写体検出は10種類あり、大抵の被写体は追ってくれそうだ。
と、X SummitではX-M5のカジュアルなスチルカメラとしての側面から始まったのだが、動画編の話を聞くと、どうもVlogカメラとしての側面もかなり充実しているようだ。
最高で6.2K/30Pに対応するのはさることながら、エントリーユーザー向けのカジュアルな動画機能が非常に充実している。
注目したいのは2点。
1つはマイク。上面に3つのマイクが内蔵されており、指向性のコントロールができる。モニターを回転させて自撮りをしたり、インタビュー的に相手の声を拾ったり、環境音ごと撮ったりできる。
外部マイク用の端子が側面ではなく背面に設けられ、マイクをつないだときもバリアングルモニターの動きを妨げない作りもいい。EVFがないことでマイク端子を付けられたのだろう。
さらに縦位置動画にも対応。カメラを縦にするのではなく、横位置での撮影のまま9:16にクロップして動画を撮影する機能が追加され、ショートムービー用の縦位置動画も簡単に撮れる。
予想外だったところでは、背面に装着する冷却ファンにも対応していること。長時間録画にも耐えられそうだ。
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