Google対Epic裁判、公式アプリストアの11月1日公開は回避
2020年8月に始まったEpic GamesがGoogleを独禁法違反で提訴した裁判で、連邦地裁の恒久的差し止め命令が、一部を除いて一時的に効力停止になる。控訴審の判決が下るまでの停止だ。
米カリフォルニア州北部地区連邦地裁のジェームズ・ドナート判事は10月18日(現地時間)、米Google対米Epic Gamesの裁判で、恒久的差し止め命令について、一部を除いて控訴裁判所がGoogleの申し立てを判断するまで効力を停止するという決定を下した。
効力を停止するのは、競合他社のアプリストアがGoogleのAndroidアプリストアである「Google Playストア」のアプリカタログにアクセスし、自社のストアでアプリを提供できる機能の提供を命じる項だ。11月1日の実行を命じていたが、これが延期される。
Googleは、ドナート判事が7日に下した命令に対し、第9巡回区控訴裁判所に16日に控訴した。Googleは、控訴理由として、差し止め命令がAndroidユーザーの安全性とプライバシーを損ない、Androidエコシステムの競争力を低下させると主張している。
控訴裁判所は今後、差し止め命令の妥当性について判断し、Googleの主張を認めるか、Epic Gamesの主張を支持するかを決定する。決定するまではドナート判事の命令は効力停止だ。
この裁判は、Epic Gamesが、GoogleがAndroidのアプリストア市場における独占的な地位を濫用し、競争を阻害しているとして、2020年8月にGoogleを提訴したものだ。裁判ではEpic Gamesの主張が認められ、Googleは一部のビジネス慣行を変更するよう命じられた。今回の差し止め命令は、その判決に基づいて出されたものだ。
Epicは、米Appleを相手取った同様の訴訟では、ほぼ敗訴している。
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