織姫星「ベガ」囲む“直径1600億kmの円盤” NASAが画像公開 ハッブルとジェームズ・ウェッブで撮影
米航空宇宙局(NASA)は、織姫星として知られる恒星「ベガ」の周囲にある円盤を撮影した画像を公開した。
米航空宇宙局(NASA)は11月1日(現地時間)、織姫星として知られる恒星「ベガ」の周囲にある円盤を撮影した画像を公開した。米アリゾナ大学ツーソン校の研究チームが、NASAのハッブル宇宙望遠鏡とジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って撮影した画像。約1609億kmの直径を持つ円盤がベガの周囲を取り囲んでいる様子を写している。
星は、その重力によって周辺のガスなどを集め「星周円盤」と呼ばれるリング状の集積体を形成する。約4億5000年前に形成したベガは、軌道を回る小惑星同士の衝突や蒸発する彗星の残骸によって生じた、ちりで満ちた円盤を持つという。今回、研究チームはこの円盤の詳細を調べるため、2つの宇宙望遠鏡で撮影を行った。
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で撮影した画像は、太陽の40倍明るく、青白く輝く星の周りを砂粒ほどの大きさの粒子が渦巻く円盤状の赤外線放射をとらえた。ハッブル宇宙望遠鏡の画像は、星の光を反射する煙のような粒子が円盤の外側で光輪を構成している様子を示している。
研究チームによると、ベガの円盤はとても均一であるのが特徴という。このことから「少なくとも海王星程度の質量を持つ惑星が、太陽系のように大きな軌道で公転していることはないことが分かる」と分析している。
研究チームのケイト・スーさんは「惑星の形成プロセスにはまだ多くの未知の領域がある。今回得たベガの観測データは、惑星形成モデルの検証に役立つと思う」と今回の成果について説明している。
この研究成果は科学雑誌「The Astrophysical Journal」に掲載される予定だ。
Image Credits: NASA, ESA, CSA, STScI, S. Wolff (University of Arizona), K. Su (University of Arizona), A. Gaspar (University of Arizona)
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