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デジタル一眼とスマホカメラの“現在地” いろいろなシチュエーションで比較してみた:荻窪圭のデジカメレビュープラス(4/4 ページ)
ここ1〜2年のスマホカメラの画質には目を見張るものがありますな。デジカメとスマホカメラの両方をレビューしている身として、いろいろと感じることもあるのであえて比較してみた。
異なったアプローチで異なった進化をしていくのだ
スマホならではの連写+合成技術を駆使したHDRやノイズ低減処理と、デジタル一眼を追いかけたけど追いつけないポートレートモードの2つを典型的な両者の違いとして取り上げてみた。どっちが良い悪いじゃなくてアプローチの違いが面白いと思ったのだ。
両者の違い……それこそメリットもデメリットも山ほどあるけど、いちいち言及してるとキリがないからそこはご容赦を。
面白いのは、デジタル一眼はセンサーサイズと光学性能で圧倒的に優位に立っているのに対し、スマホカメラは同じ土俵で勝負せず、AIを駆使した高速なデジタル処理で優位に立とうとしていること。互いに得意ジャンルを生かしつつ進化してるのだなあとしみじみ思う。
本職カメラは撮影者が自分でレンズや絞りやシャッタースピードやISO感度やホワイトバランスや画作りをコントロールしてイメージ通りに撮れるというのが圧倒的に優れている点で、それをサポートするために最新のデジタル技術を駆使するわけだが、それにはある程度の知識やノウハウが必要で、逆にスマホカメラはその辺のお膳立てを端末側が全部やる分、撮影者側が細かいコントロールをしづらい(できないことはないけど、しづらい)。
この違いはずっと続くかと思う。
なので、我々はスマホと本職カメラの両方を持ち歩いて、時には同じシーンで両方で撮ってみたりしつつ、使い分けていくのである。
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