Amazon、新生成AI「Alexa+」発表 既存端末やWebで利用可能に
Amazonは、2014年から提供している音声アシスタント「Alexa」の後継として、生成AI搭載の「Alexa+」を発表した。同社のほぼすべての既存Echo端末、Amazonアプリ、Webで利用可能になる見込み。月額19.99ドルだがプライム会員は無料で利用できる。
米Amazonは2月26日(現地時間)、ニューヨークで開催したイベントで、AIを活用した次世代アシスタント「Alexa+」を発表した。
数週間以内に米国で先行アクセスを開始し、その後数カ月かけて段階的に提供地域を拡大する計画。月額料金は19.99ドルだが、Amazonプライム会員(月額14.99ドル)は無料で利用できる。
デバイス&サービス部門のパノス・パネイ上級副社長は「Alexa+は、あなたの生活と家を管理できる信頼できるアシスタントです。非常に複雑なものを、よりシンプルでアクセスしやすいものに変えることは、Amazonが得意とするところです」と語った。
アンディ・ジャシーCEOは「Amazonでは25年以上にわたりAIを広範囲に活用してきており、AIやテクノロジーは単にクールだからという理由で使用するのではなく、顧客の実際の問題を解決するために使用します」と語った。
Alexa+は、“ほぼすべての”既存のEchoデバイス、Alexaモバイルアプリ、Webブラウザ(Alexa.com)で利用できる。ユーザーとの会話の文脈を記憶し、中断したところから再開できる。「自然で流れるような会話」で、ユーザーの好みを学習し、パーソナライズされた体験を提供する。
例えば、以下のようなことができる。
- イベントの予約、ギフトの購入、旅行の手配などの代行
- カレンダー管理、ドキュメントからの情報抽出、リマインダー設定
- 音声による音楽の発見、「Primeビデオ」での特定のシーンへのジャンプ
- 「Ring」デバイスとの連携によるホームセキュリティの強化。
- 「Suno」との統合により、簡単なリクエストでの作曲
Alexa+は、「Amazon Bedrock」上の「Amazon Nova」や「Anthropic」を含む複数のLLMを活用する。モデルにとらわれないシステムにより、タスクに応じて最適なモデルを選択するという。
また、OpenTable、Uber、Grubhubなどのサービスと連携し、予約や手配を自動化する。リアルタイムな情報を提供するために、Associated Press、Reuters、TIME、USA TODAY、Politicoなどのニュースメディアと提携する。
Amazonは2014年に音声アシスタント「Alexa」を発表し、2023年9月にAlexaに生成AIを搭載すると発表したが、それがようやく実現することになる。
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