「スクショ」が商標登録されていた──Xで話題に GMOメディアが2015年に登録済み
「スクショ」が商標登録されていた──そんな投稿がX上で話題になっている。メディア事業を手掛けるGMOメディアが2015年6月、「スクショ」を商標登録していた。
「スクショ」が商標登録されていた──そんな投稿がX上で話題になっている。あるXユーザーが「スクショしよ」のLINEスタンプを販売しようとしたところ「権利者からの許諾が証明できない」と審査落ちに。詳細を調べたところ、メディア事業を手掛けるGMOメディアが「スクショ」を商標登録していたことが分かったという。
特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」によると、GMOメディアがスクショの商標を出願したのは2014年4月22日、その後15年6月5日に登録された。区分は、ソフトウェア設計やSaaSなどが含まれる第42類に入っている。25年4月には更新申請を出願し、受理されているようだ。
スクショはスクリーンショットの略称として使われ、PCやスマートフォンなどの画面を撮影して画像として保存する機能を指す。デジタルデバイスの普及が進む中で生まれた言葉で、GMOメディアが商標申請を出した14年にはすでに、SNS上でも使われていたのを確認できる。
これらの状況を知ったXユーザーからは、GMOメディアが商標取得した経緯を気にする声が上がっている。「スクショは略語だからそれを登録するのはちょっとやらしい」「一般的に使われるような語句は商標登録却下されるのではないのか。特許庁の基準が分からない」などの意見が相次いでいる。また、22年2月に商標登録され物議を醸した「ゆっくり茶番劇」問題を思い出す人もいるようだ。
(関連記事:「ゆっくり実況」などの商標出願に拒絶通知 ドワンゴが「誰も登録できないと明らかにする」と出願)
一方、GMOメディアが商標権取得後も権利行使をしない前提の「防衛的出願なのでは」と指摘する声も見られる。また「LINEスタンプ上での『スクショしよ』が商標権を侵害するとは思えない」との意見もあり、LINE側の審査方法を問題視する人も確認できる。
この件を巡っては、弁理士の栗原潔さんはYahoo!ニュース上に掲載した記事で「商標権は普通名称や記述的商標の通常の使用には及びません。『スクショ』はスクリーンショットの略語として現在では定着していますので、その意味で「スクショ」を使う分には商標権が及ぶことはありません」と、権利者に訴えられる心配をする必要はないとの見解を示している。
ITmedia NEWSではGMOメディアに対して、スクショの商標登録を取得した経緯を問い合わせ中だ。回答があり次第、追って報じる。
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