ソニー、バンナム、Gaudiyが戦略的な資本業務提携 漫画やアニメなど日本発IPの世界展開を加速へ
ソニーグループ、バンダイナムコホールディングス、Web3スタートアップのGaudiyは8日、戦略的な資本業務提携を発表した。
ソニーグループ、バンダイナムコホールディングス、Web3スタートアップのGaudiy(東京都渋谷区)は5月8日、戦略的な資本業務提携を発表した。Gaudiyはソニーとバンナムを引受先とする総額100億円の資金調達を実施する。
ソニー傘下のアニメ専用ストリーミングサービス「Crunchyroll(クランチロール)」とGaudiyのアニメ・漫画コミュニティサイト「MyAnimeList」、バンナムのIPを活用した商品やサービスを連携し、日本発IPの海外展開を加速させるのが目的。MyAnimeListは、日本ではなじみが薄いものの(海外利用が99%)登録者数1950万人を誇る世界最大級のコミュニティサイトだ。
ソニーグループの御供俊元代表執行役CSOは「3社パートナーシップを通じて、アニメや漫画など日本発のIPをグローバルに発信していくことは、大変意義深い取り組みであり、今後の成果に大いに期待している」としている。
この他、1)次世代のクリエイターの育成、2)各社が保有するデータアセットの利活用、3)ブロックチェーン技術を使ったエコシステムの構築、4)生成AI技術の研究開発なども共同で進める考え。例えば生成AI分野では、ガンプラの写真をアップロードするだけでジオラマ画像が生成できる「ガンプラデジラマメーカー」を提供するなど、すでに取り組みが進んでいるという。
Gaudiyの石川裕也CEOは「今回のパートナーシップを通じて、3社の強みを掛け合わせ、世界に誇る漫画やアニメをはじめとする日本発IPのグローバル展開を、ファンの熱量や先端テクノロジーを融合させながら、誠実に推進していく」としている。
Gaudiyは、2018年設立のスタートアップ。ブロックチェーン技術を活用したファンプラットフォーム「Gaudiy Fanlink」の展開に加え、今年に入ってMyAnimeListを傘下に加えた。IPホルダーからの注目度も高く、同日、株式交換によりアカツキ、アニメタイムズ、コアミックス、講談社、集英社、小学館、ブシロードの7社が新たな株主となったことも発表している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
バンナムHD、24年度通期は“全事業で増収増益” デジタル事業の利益は995.1%増 「学マス」など好調
バンダイナムコホールディングスは5月8日、2025年3月期通期決算(2024年4月1日〜25年3月31日)を発表した。
サンリオ、Web3.0に本腰 グローバルなキャラコミュニティを構築へ
サンリオは、ブロックチェーン事業を展開するベンチャー企業と協業し、グローバル向けコミュニティサービスを2023年前半にリリースする計画だ。
Crunchyrollとアニプレックス、アニメプロデュース新会社 「良質な作品を世界に」
アニプレックスとCrunchyrollは、Crunchyrollのストリーミングサービス向けたアニメ作品の企画プロデュースを手掛ける新会社HAYATEを設立した。
「アニメは世界に通用する」──ソニー、長期ビジョンの注力分野にアニメ 制作ソフトも開発中
ソニーグループの経営方針説明会で注目を集めたのは、同社のアニメ戦略だった。IP創出の取り組みとして注力していくことを表明。開発中のアニメ制作ソフト「AnimeCanvas」も紹介した。
日本の“お株”が奪われる?――躍進する「中国産アニメ」のいま 国内勢はどう立ち向かうべきか
中国産アニメの存在感が高まっている。象徴的な出来事としては、2025年4月改編の「日アサ」新番組として、中国配信大手bilibiliとアニプレックスがタッグを組んだ「TO BE HERO X」が予定されていることだろう。現在「ワンピース」が放送されているフジテレビの同放送枠に、中国アニメが収まるというのは業界内でも一定のインパクトをもって受け止められている。

