“圧縮機能”付きリュックにみる、防災グッズの新潮流 ポイントは「どうせ使うものなら」:分かりにくいけれど面白いモノたち(5/5 ページ)
今回はキングジムが立ち上げた新防災ブランド「KOKOBO(ココボ)」と、ace.(エース)ブランドから26日に発売される「スペースオプト」を例に、日常と防災をメーカーはどのようにつなごうとしているのかを取材してみた。
それこそ、ダウンジャケットのような防寒着や、保温ブランケットといったかさばる防災グッズを圧縮できるのは、避難所などに向かう時にも役立つし、限られたスペースの中でエキスパンダブル機能以外にも容量を増やせる機能があるということも防災用途に便利だ。その上で、これまでのエースのフェーズフリー製品で実績のある機能が加えられている。
例えば、チェストベルトに搭載されたホイッスル機能付きバックルや、濡れたものを入れられるビニールポケット、さりげなく付けられたリフレクター、耐水性の高いコーティングを施した本体素材などなど。
どの機能も、普段遣いを邪魔しないどころか、あると助かる機能ばかりで、そこが「防災リュック」ではなく、「フェーズフリーのリュック」であるということなのだ。このくらいから始めるのが、日常の防災意識の向上にはちょうどいいような気がしている。この圧縮機能が、ビジネスリュックに内蔵されているというのがいいのだ。圧縮機能も出張に役立つ的な機能に見えて、そのさりげなさが嬉しい。
最後に、使用上の注意を。圧縮に大事なのは、しっかりと押さえて空気を抜くことなのだが、手で押さえるだけでは限界がある。お勧めなのは、体重をかけて空気を抜くことなのだけど、どちらにしてもかなりの力を掛けることになる。ところが、このリュック、このリュックはPCの出し入れを容易にするため、背面部分にPCポケットがあるのだ。なので、圧縮作業時には必ず、PCポケットは空にしておくこと。これが何より重要だ。
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