分かりにくいけれど面白いモノたち
新しい老眼鏡で視界がシャープになった話 AIで“瞳孔の変化”をレンズ設計に取り入れるアプローチとは?(1/5 ページ)
バリラックスの新しい累進度数レンズ「バリラックス・フィジオ・エクステンシー」は、公式サイトの説明によると「瞳孔の動的データと人工知能AIに基づき設計されたバリラックス フィジオ エクステンシーは、瞳孔の変化に合わせてレンズ設計を最適化。移り変わる光の下でも、シャープな見え心地を追求し、最適な視界の提供を目指したレンズです」ということなのだが、明るさによって瞳孔の大きさが変化することと、メガネの見え方にどういう関係があるのか、さっぱり分からない。どういうことなのか?
そこで今回、バリラックスの日本での窓口になっているニコン・エシロールの御好意で、このフィジオ・エクステンシーを試す機会を得た。既に、バリラックスの累進度数レンズのフラグシップである「バリラックスXR」を愛用している私は、その「瞳孔の変化」をメガネにどう反映させているのかに興味があったこともあり、またフラグシップとの違いも気になったので、是非とお願いしてフィジオ・エクステンシーを提供してもらった(機材提供:ニコン・エシロール)。
以下は、実際にフィジオ・エクステンシーを2カ月ほど使ってみたことで分かったことと、ニコン・エシロールの担当の方に取材した内容から、この新しいレンズが、実際のところ、どういうものなのかということについて書いたリポート。製品の提供は、特に記事化を前提にしたものではなかったのだけど、メガネのレンズは、実際に試さないと、それがどういうものかも分からないし、評価もできない。せっかくの機会なので、ここに書いておきたかった。それこそ「分かりにくいけれど面白い」モノだと思うのだ。
瞳孔の役割をカメラに例えてみよう
「目ってすごくて、遠くを見てるときはちゃんと瞳孔が開いていくんですけど、近く見るときは瞳孔は閉じて、つまりカメラで言うと絞り込んでいくっていうような自動調節の機能があるんです」と、瞳孔の変化をどうメガネのレンズに反映させるのかということについて、ニコン・エシロールの井上陽奈さんは、まず、瞳孔が明るさだけではなく、見るものの距離でも大きさを変化させるものだということを教えてくれた。
つまり、瞳孔は明るいところでは閉じるし、暗いところでは開くという「露出」の調整だけでなく、カメラでいう「被写界深度」の調整も自動的に行っているわけだ。しかも、それは、ぼかしをコントロールするのではなく、対象をよりハッキリと見るための調整。近くを見る時は絞り込んだ方が細部がシャープになるし、遠くは細部を見る必要性は薄いため、瞳孔を開いて視界を明るくする。
「瞳孔の動きのパターンは、どういう距離感で、この年齢で『そこにあるモノ』を見るときに、この照度ではどうか? といった具合に、組み合わせが無数にあって、だから、従来のレンズは、そのどこかを切り取って、レンズに反映させることしかできなかったんです」と井上さん。
それはそうだとしか言いようがない。条件のパラメーターが多過ぎるのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
分かりにくいけれど面白いモノたち
ITから文房具まで幅広く活躍するベテランライター、納富廉邦さんが言語化しづらいけど面白いガジェットやサービスを分かりやすく解説します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
くら寿司、「ちいかわ」コラボ中止 従業員による不正行為判明で
-
2
「スーパーリアル麻雀 VR」でゲーセン通いの日々を思い出したマンガ家、ご褒美シーンの“限界突破“に驚愕
-
3
OpenAI、休眠サイトへの自社AIエージェント書き込みを認め、非公表の理由を説明
-
4
配布前の「ちいかわ」グッズがメルカリに? くら寿司コラボ第2弾、初日から“内部犯”の臆測呼ぶ 第1弾に続き
-
5
SEGAそっくりのロゴで「MAGA」――トランプ政権公開のWebゲームが物議 移民送還などを題材に 【追記あり】
-
6
ダークチョコ(カカオ85%)を毎日3週間食べる→ネガティブ感情が減少 70%では変化なし 韓国での研究結果
-
7
RIZAP社員、私用AIに顧客の個人情報入力 氏名や疾患、保険証番号など……同社が謝罪
-
8
OpenAIのAIエージェント、休眠サイトを掲示板化してタスク回答を共有か 研究団体が報告書公開
-
9
X、プロフィールのポストをいいね順に並べ替え可能に
-
10
「FANZAスタジオ」爆誕へ 成人向けAIマンガに違和感を覚えるマンガ家も期待する部分とは?
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR