欧州委員会、Appleのマップと広告もDMAゲートキーパー指定を検討開始
EUの欧州委員会は、AppleのマップとApple Ads(広告)をDMA(デジタル市場法)の「ゲートキーパー」に指定するかどうかの検討を開始したと発表した。Appleは反論を正式に提出済み。今後45営業日以内に決定され、ゲートキーパーとされた場合、Appleは6カ月以内にDMAに準拠させる必要がある。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は11月27日(現地時間)、米Appleの「Apple Maps」(マップ)と「Apple Ads」(広告)をDMA(デジタル市場法)の「ゲートキーパー」に指定する検討を開始したと発表した。Appleから、これらのサービスはDMAの基準を満たしているとする正式な反論を受領済みとしている。
DMAは、EU域内市場に大きな影響を与え、強固かつ持続的な市場ポジションを有し、企業と消費者間の重要なゲートウェイを構成するコアプラットフォームサービスを運営する企業に適用される。過去3会計年度において、月間アクティブエンドユーザー数が4500万人以上、年間ビジネスユーザー数が1万人以上のサービスがゲートキーパーの指定対象だ。
Appleのサービスとしては、既にApp Store、iOS、Safari、iPadOSがゲートキーパーとされている。EUはiMessageについても検討したが、2024年2月にゲートキーパーとして指定しないことを決定した。
欧州委員会は今後45営業日以内に、Appleのマップと広告をゲートキーパーのリストに追加するかどうかを決定する。ゲートキーパーとされた場合、Appleは6カ月以内に各サービスをDMAに完全準拠させる必要がある。
準拠させられなかった場合、世界での売上高の最大10%、違反を繰り返した場合は最大20%の罰金を科される可能性がある。
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