サクラクレパス、“AI疑惑”のポスター撤去へ 「実際のデザインと相違」
サクラクレパスは9日、スペインで開催されたイベント「Manga Barcelona」で使用した販促ポスターに参加者の一部から「生成AIで作ったものではないか」と疑問が投げかけられた件で、公式見解を発表した。
老舗文具メーカーのサクラクレパスは12月9日、スペインで開催されたイベント「Manga Barcelona(マンガバルセロナ)」で使用した販促ポスターに参加者の一部から「生成AIで作ったものではないか」と疑問が投げかけられた件で、公式見解を発表した。ポスターの使用を停止し、撤去するという。
生成AIの使用については「当該販促物の制作・発注に関与したグループ会社に対し、現在事実確認を行っている」として結論を避けた。「精査の上で必要な措置を講じる」。
ただし、当該イラストに描かれた製品のロゴマークが自社の表示規定に反するものであったこと、また描かれていた自社製品のデザインが実際とは異なることを確認したため、撤去を決めた。「重く受け止め、事実確認を進める」としており、調査結果や再発防止策を改めて公表する考えだ。
Manga Barcelonaは、日本のマンガやアニメ、ゲームなどをテーマにした人気ベントで、現地時間の12月5日から開催していた。サクラクレパスは制服の少女が大きな「PIGMA MICRON」や「GELLY ROLL」を持つポスターを掲出したが、本来はロゴマークである部分がMICRONの“M”になっているなどおかしな点が複数あり、参加者から「画材の会社が生成AIでポスターを作るのか」といった声が上がっていた。
PIGMA MICRONは、1982年発売のロングセラー水性サインペン「ピグマ」の海外仕様商品。同社はジェルボールペンのGELLY ROLLと共に、マンガやイラストを描くのに適した筆記具として訴求している。
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