マスク氏、xAIの全社集会で組織再編や「月面電磁カタパルト」計画などを語る
イーロン・マスク氏は、SpaceX傘下となったxAIの全社集会を開催し、組織再編と新体制を発表した。創業メンバーの多くの離脱が明かされた一方、Grokや画像生成、AIによる実務代行など4つの重点分野を提示。メンフィスの拠点を100万基規模のGPUクラスターへ拡大し、宇宙空間での計算リソース確保も見据える。
イーロン・マスク氏は2月11日(現地時間)、米SpaceX傘下になった米xAIの全社集会(All Hands Meeting)を開催し、同社の組織再編や今後の計画などについて説明した。同氏は両社のCEOを務めている。
マスク氏は、設立からわずか2年半で急成長した同社の構造変化を「生物の進化」になぞらえ、実行速度をさらに向上させるために組織再編を行ったと説明した。
この再編プロセスで一部の人員整理が行われたことも明かされ、2023年の創業時の立ち上げメンバーであるユーファイ(トニー)ウー氏、ジミー・バ氏が同日、自身のXアカウントで辞任を表明した。米Reutersによると、xAIの当初の12人の立ち上げメンバーのうち、半数しか残っていないという。
また、新たな企業構造として以下の4つの主要なアプリケーション分野に注力する方針が示された。
- Grok Main & Voice部門:主力言語モデルと音声機能の統合チーム。音声モデルは開発開始から半年で競合を凌駕する性能に達したとし、既に200万台以上のTesla車に搭載されているという
- Coding部門:コーディング特化モデルのチーム。従来のソースコード記述やコンパイラを介さず、AIが直接最適化されたバイナリを生成する技術を目指しており、早ければ年内にも実現する可能性があるとしている
- Imagine部門:画像・動画生成モデルに取り組むチーム。現在、1日当たり約5000万本の動画、過去30日間で60億枚の画像が生成されており、この生成数は競合他社の合計を上回る規模だと主張している。年内には10〜20分の長尺動画生成を目指す
- Macrohard部門:成果物がデジタルデータである企業の活動そのものを、AIによって完全に再現し、代行することを目指すチーム。GUI上での人間による操作(エンジニアリング、医療、法務など)をAIが代行し、デジタルなアウトプットを持つ企業の活動そのものを再現することを目的とする
インフラ面では、米テネシー州メンフィスの「Gigafactory of Compute」で現在10万基の「H100 GPU」クラスターを稼働させており、間もなく100万基相当の規模へ拡大する計画を発表した。
マスク氏はさらに、SpaceXとの連携による長期的なビジョンとして、月面に電磁カタパルトのような射出装置「Mass Driver」や工場を建設してAI衛星を打ち上げ、太陽エネルギーを活用した大規模な計算リソースを確保する壮大な構想も語った。
この他、Wikipediaを超える知識ベースを目指す「Grokopedia」が約600万記事に到達していることや、決済機能「X Money」の一般展開についても言及した。既に社内でクローズドβ版を稼働させており、向こう1〜2カ月以内に外部βに移行するという。
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