「“閉館”どこにも書いてない」──国立の博物館や美術館に収益目標設定の真意、文化庁に聞いた(2/2 ページ)
文化庁のWebサイトで公開された所轄の独立行政法人向けの「第6期中期目標」が、SNSを中心に物議を醸している。国立の博物館や美術館にも来年度から収入目標を設定し、一部は基準に満たなかった場合には再編も検討するという。意図を聞いた。
文化庁:独立行政法人は、公共事業に「民間的な発想」も合わせて運営していく機関という位置づけです(編集部注:博物館法では公立博物館は入場料等を徴収しないことが原則)。もちろん運営の基盤は交付金でしっかり整えます。
今回の数値目標は、展示事業に関するものですが、国立博物館などの役割は展示だけではありません。展示品の収集・保管や調査・研究、教育など幅広い役割があります。そういった部分は基盤として交付金でまかないます。
一方で展示事業については、今は公立の博物館でも「入場料」をとっています。ここで一定の収入を確保してもらい、質の高い展示や来場者の利便性向上などにつなげるのが目的です。
──交付金に代えて博物館全体の運営費を賄うための目標ではない、ということですね
文化庁:あくまで展示に係る経費についてです。館の運営全体ではありません。現状、展示事業の経費が自己収入の割合が低いので、それを「上げていこう」という意図です。
──「再編」についても教えて下さい。新聞報道などに「目標未達なら閉館も」とありますが、あり得るのでしょうか
文化庁:再編というのは、中期目標で博物館や美術館に求められる役割を果たすために、その館が持つ機能を再編し、強化するという意味です。
また展示事業の自己収入の割合が(次の中期の4年目で)40%を下回ったという点だけをもって、すぐ再編ではありません。収集や保管、教育など各役割を総合的に評価した上で、社会的な役割を果たせていないと判断された場合に再編を検討する(=該当する博物館など自身が次期中期計画に再編内容を記載し実行する)ということです。
ただ、「閉館」という言葉は中期目標のどこにも書いてありませんし、口頭で伝えたこともないです。新聞の取材は受けてないので(出どころは)分かりません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
都会の鳥はなかなか逃げない、は本当だった 科博がスズメなど7種で実証
文化庁は27日、東京都心に生息する7種の鳥類について、自然環境に生息する同種の個体よりリスクを回避しない傾向があることが実証されたと発表した。
未成年のSNS規制、テレ朝の「総理意欲」報道に赤松議員ら苦言 「少々切り抜き動画的」【答弁書き起こし付き】
テレビ朝日が2月27日に報じたニュースについて、参議院の赤松健議員、山田太郎議員が相次ぎX上で苦言を呈した。
朝日新聞主催のフォトコンで不正により最優秀賞を取り消された写真連盟関係者、過去の受賞作にも“ストックフォト疑惑” 「現在、調査中」と主催者
朝日新聞社と全日本写真連盟埼玉県本部がフォトコンテストで最優秀賞を取り消した件で、過去の作品についても“ストックフォト疑惑”が持ち上がっている。
「古生物ぬい」のこだわり、そして「Nuiパン」の発想力 ブームを支える開発者たちに聞いた、ぬいぐるみ作りの“秘訣”とは
国立科学博物館の特別展「大絶滅展ー生命史のビッグファイブ」の特設ショップには、沢山の古生物をモチーフにしたぬいぐるみが並んでいる。これがなかなか良くできていて魅力的なのだ。
現代の“浮世絵“か 平版式の凸版印刷機だから表現できた「STICKER & DESIGN STORE」のステッカー
東京の深川にあるマエダ特殊印刷は、「STICKER & DESIGN STORE」というステッカー専門ブランドを展開している。そのステッカーがなんとも独特なのだ。

