Microsoft、対DoW訴訟でAnthropicを支持するアミカスブリーフを企業として提出
Microsoftは、Anthropicが米国防総省(DoW)を相手取った裁判で、同社を支持するアミカスブリーフ(法廷助言書)を提出した。AnthropicがAIの軍事利用制限を巡り製品利用を禁止されたことに対し、Microsoftは法人の立場で支持を表明。DoWの措置が米軍の活動やIT業界に悪影響を及ぼすと警告し、解決に向けた現状維持を求めている。
米Microsoftは3月10日(現地時間)、米Anthropicが米国防総省(Department of War、DoW)の決定を不服として起こした裁判で、Anthropicを支持するアミカスブリーフ(法廷助言書)を企業として提出した。この裁判は、Anthropicが自社のAIモデルを国内の大量監視や完全自律型兵器へ利用することを拒んでDoWとの契約交渉が決裂した結果、DoW側が同社を「サプライチェーンリスク」に指定して製品の利用を直ちに禁止したことに対し、Anthropicが一時的差し止め命令を求めているものだ。
前日の9日には、競合である米OpenAIや米Googleの従業員37人が個人としてAnthropicの主張を支持するアミカスブリーフを提出していたが、Microsoftは法人として公式にこの動きに加わった形だ。
Microsoftは提出したアミカスブリーフの中で、AIは国内の大量監視や人間の制御が及ばない武力行使に利用されるべきではないというAnthropicの姿勢に同意を示している。さらに、DoWによる即時の利用禁止措置は、既存の製品や契約構成の変更を即座に強いるものであり、結果として重要な時期にある米軍の活動を阻害し、米国のテクノロジー業界やビジネス全体に広範な悪影響を及ぼすと警告した。
同社はDoWの重要なパートナーであると同時に、自社サービスにAnthropicの技術を統合して提供しているため、この決定から直接的な影響を受ける立場にある。Microsoftは、裁判所が一時的差し止め命令を下すことで現状を維持し、関係者全員にとってより良い交渉による解決を模索するための時間とプロセスを確保すべきだと主張している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Anthropicがトランプ政権を提訴 GoogleやOpenAIの従業員がアミカスブリーフ提出
Anthropicは、AIの軍事、監視利用を拒否したことでトランプ政権から報復を受けたとして政権を提訴した。これを受け、GoogleやOpenAIの従業員ら37人が、政府の措置は技術的議論を萎縮させるとして同社を支持するアミカスブリーフ(意見書)を提出。ジェフ・ディーン氏ら業界の重鎮も署名し、AIの安全性を巡る政府の姿勢に強い危機感を示している。
米国防総省、Anthropicを「サプライチェーンリスク」に正式指定 法廷で争うとアモデイCEO
Anthropicのダリオ・アモデイCEOは、米国防総省から「サプライチェーンリスク」認定書簡を受け取ったと発表した。監視や自律型兵器へのAI利用制限を巡り交渉が膠着し、実質的な取引排除処分を受けた形だ。アモデイ氏は、この認定が法的に不当だとし、法廷で争う姿勢を改めて示した。
米軍のイラン攻撃に「Claude」が使われたことが判明 トランプ大統領による「使用停止命令」後
トランプ大統領が国防総省にAnthropic製品の使用停止を命じた直後、米軍がイラン攻撃で同社のAI「Claude」を使用したことが判明した。安全策撤廃を巡る対立で同社が「サプライチェーンリスク」に指定され排除が決定的となる中、現場では依然としてAIが実戦投入される状況が浮き彫りとなった。
OpenAI、米国防総省とAI導入で合意 Anthropicへの強硬措置の沈静化を要請
OpenAIは、米国防総省(DoW)の機密網へのAI導入で合意した。トランプ政権が安全策撤廃を拒むAnthropicの排除を決めた直後の発表だ。OpenAIは「クラウド限定運用」や「保護条項」の明文化により、自律型兵器への転用を防ぐ多層的な安全網を維持。政府の強硬姿勢を軟化させ、業界全体の合理的な合意を目指す姿勢を示した。
トランプ大統領、Anthropicを「極左の意識高い系企業」と非難し 政府機関での製品使用を即時停止
トランプ米大統領は、AI安全策の撤廃を拒否したAnthropicを「極左企業」と非難し、政府機関での同社製品の使用停止を指示した。これに対しGoogle、OpenAI、Amazon、Microsoftの従業員有志はAnthropic支持を表明。OpenAIのアルトマンCEOは自律型兵器への利用を否定しつつも軍との協議を加速させている。
AnthropicのCEO、米国防総省のAI規制撤廃要求を拒否 「自律型兵器への転用」を懸念
AnthropicのアモデイCEOは、米国防総省によるAIセーフガード撤廃要求を拒否する声明を出した。大規模監視や完全自律型兵器への悪用を懸念しており、軍からの契約解除や国防生産法発動の警告を受けても姿勢を崩していない。

