なぜ「ダークパターン」が生まれるのか? 誤りの“勝ちパターン”という認識(3/3 ページ)
最近、SNSやネットニュースで見るようになった「ダークパターン」。人を騙そうとする業者が使うのは分かりますが、実際はそれだけではありません。
日本でダークパターン対策として事業者向けに「NDD認定制度」を推進するダークパターン対策協会の小川晋平代表理事(IIJ)は、政府の資料の中で「ダークパターンが短期的な売上増を狙った“誤った勝ちパターン”としてWeb制作会社の現場で広まっている実態があります」と指摘しています。「事業者が、こうした提案を受け、ダークパターンを自社のWebサイト等に十分な検討を経ずに採用した結果、悪意なく消費者被害を生じさせている例も散見されます」(出典:令和7年度消費者政策の実施の状況)。
“誤った勝ちパターン”を共有し、実践する人達は半ば確信犯でしょう。短期的な数字は上がるので、自分達の評価も上がります。ダークパターンを使った企業に対する世間の評価は下がっても、外部業者であれば責任は回避できます。
企業倫理やコンプライアンスを重視する事業者はダークパターンは避けようとしますが、例えば現場の人が上司から「数字を上げろ」とすごいプレッシャーをかけられていたりすれば、外部から持ちかけられた“誤った勝ちパターン”に乗ってしまうかもしれません。この場合、上司や経営陣が現場の実情やダークパターンがもたらすリスクを把握できていないことも問題です。
ダークパターンは短期間で売上やコンバージョン(成約率)を押し上げます。しかし、それは長続きしません。中長期的にはブランドの信頼を失う大きなビジネス上のリスクになります。ダークパターン対策協会では「ダークパターンの使用はSNS等での悪評拡散という重大なリスクを伴う」と警告しています。
事業者の中には「たかがSNS」と思う人もいるかもしれません。しかし現在は、SNSで悪評が広まるとインフルエンサーやネットメディアによる追求と拡散が始まります。もしダークパターンをやりすぎて景品表示法や特定商取引法に違反する行為などが見つかれば、監督省庁から指導や業務改善命令を受けることも考えられます。すると今度はマスコミにも大々的に取り上げられ、信用の毀損は決定的に。回復するのにどれだけの時間とコストが掛かるか分かりません。
企業は利益を求めるものですが、それを提供する先は消費者です。消費者を軽視し、ダークパターンに手を染めれば、いずれ自身の首を絞めると肝に銘じておきたいものです。
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