NHKの「ネット受信契約(案)」が“ダークパターン”過ぎて見過ごせない件 一度“同意”したら取り消せない、は取り消しか(1/2 ページ)
前回に続き、NHKが9月に公開したネットサービスの提供イメージ(案)にみられるダークパターンとみれる部分を指摘する。
NHKは、「ご利用意向の確認」画面で「同意して利用する」ボタンを押した人は、これまでのテレビ放送でいう「テレビを設置した状態」となり、受信契約をしなければならない契約義務が発生するとしている。説明もなしに義務を負わせるなど普通はとんでもないことだが、さらにNHKの説明会に参加したAV Watchの記事によると、同意ボタンの「クリックの取り消しはできない」という主旨の発言があったという。例えば小さな子どもが誤ってボタンを押してしまったとしても契約しなければならなくなってしまう。
しかし、改正放送法第20条の3では、NHKの必須業務全てに対し「誤受信防止措置」を講じることを定めている。NHKは、視聴を目的としない者が誤ってその受信を開始することを防止するための措置を講じなければならない。
そこでNHKに「同意ボタンを押す(クリック)の取り消しをできなくする合理的な理由があれば教えてください。この措置は誤受信防止措置の設置義務に反していないのでしょうか?」と質問したところ、以下の回答があった。なお、回答中の(1)は、後で触れる受信料金発生のタイミングに関する質問と回答だ。
「(1)にお示ししたように、受信開始の確認ボタンはテレビの設置と同じ意味を持つことを十分に理解してから押していただくものと考えています。『テレビを設置した状態』になれば、ご理解いただき、ご契約をしていただくという、放送と同じ流れを想定しています。一方、そのような状態ではないのに、誤って押してしまった場合についても、無理やり契約を行うということではありません。現在検討中ですが、別途、対応することになると考えています。いずれにしましても、受信契約の対象となるサービスの受信開始の際の手続きなどは、なるべくわかりやすくお伝えしようと現段階でのイメージを作成したもので、今後も検討を続けます。放送法の規定に則り、それぞれの手続きの際に視聴者・国民の皆さまに誤解が生じることのないよう、さらに詳しい検討を進めてまいります」(全文ママ)。
一度「同意」したら取り消せない、は取り消しになったようだ。
ボタンを押すと翌月から受信料が発生か
放送法では「NHK放送を受信できる設備を設置した者は、NHKと受信契約を結ばなければならい」と定められている。そしてNHKの放送受信規約では、テレビを設置した翌月から受信料の支払いが発生すると規定している(NHK「受信料はいつから支払えばいいのか?」)。
仮にボタンを押したことで、テレビを設置した状況になるとすれば、契約を交わしていなくてもボタンを押した翌月から受信料が発生するという解釈もできる。1度誤ってボタンを押してしまうと、いつか受信料を割増料金(倍額)で請求されるかもしれない。記憶になくても「押していない」証明は困難だ。
NHKに「ボタンを押した瞬間(編集部注:正確には“翌月”から)から受信料は発生している、と捉えるべきなのでしょうか?」と質問したところ「受信契約の対象となるサービスであることを確認していただいたうえで、受信を開始した状態が、放送で言えばテレビを設置した状態にあたり、受信契約の対象となります」(全文ママ)という回答があった。質問には答えていない。
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