「“社長AI”って意味ある?」→言った本人も手のひら返し 幹部の9割が高評価したNTTドコモビジネスの「AI小島社長」開発録:Interop Tokyo 2026(2/4 ページ)
経営トップの判断や思考をAIで再現する取り組みが、国内の大企業に広がっている。NTTドコモビジネスが開発し、同社幹部の9割が「方針理解に役立った」と評価するという「AI小島社長」に迫る。
30万文字と社長秘書で「らしさ」作る
AIコジーが参照しているのは、1年超にわたる幹部会議の議事録や社内講演などから収集した、小島社長の発言約30万文字だ。こうしたデータをRAG(検索拡張生成)に投入。当初求められた量は5万字程度だったが、その6倍の分量を投入した。
どの文章が「社長らしいか」の選別は社長秘書が担った。有象無象のデータをそのまま入れるのではなく、秘書の助言をもとに入れるべき情報を選んだ。西塚氏は「人手がかかるがペルソナの精度を高める鍵だった」と振り返る。
応答の生成は4段階で処理する。まずRAGで関連する議事録を検索し、次に質問の分野(新規事業、コンプライアンス、人事など)を特定する。その上で一次応答文を生成し、最後に機密情報の排除などのガードレールをかける。
デザインにはNTTドコモの前田義晃社長を模した「アバター前田社長」のように、本人の表情や声質を再現するアバター型の選択肢もあった。ただしRAGと推論の処理で応答に十数秒かかるため、アバターにすると沈黙が続いてしまう。AIコジーは発言内容の深みを重視し、チャットUI型を選んだ。
全社展開の壁は“浸透”、そして……
幹部層での高評価を受け、小島社長からは全社展開を求められた。しかし西塚氏は、ここで2つの課題に直面した。
1つは社内にどう浸透させるかの問題だ。専用のWeb画面にわざわざアクセスする社員は少ない。西塚氏は、全社版をMicrosoft Copilot上に構築し、日常の業務フローに組み込む方針を取った。
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