シャープが飲料を開発した事情 “飲める氷”を作る「アイスラリー冷蔵庫」の弱点と2つの解決策(2/2 ページ)
シャープは現在、ある薬品会社と共同で飲料を開発している。それは法人向けにレンタルサービスを展開している「アイスラリー冷蔵庫」の弱点を補完するためだった。
甘くないとアイスラリーになりにくい
開発を担当するシャープの水野琢馬課長(Smart Appliances & Solutions事業本部、事業戦略推進部)によると「アイスラリーになる飲料は糖分が多く含まれているもの。甘くないお茶などはなりにくいんです」。お茶などは過冷却してもペットボトル内で大きな氷の塊ができてしまい、うまくシャーベット状にならないという。
しかし成人男性ばかりの作業現場で、甘い飲料しかないのはちょっと厳しい。健康のために糖分を控えている人だっているはずだ。シャープが薬品メーカーと共同開発しているのは、そうしたニーズに応える飲料だった。
見た目はスポーツドリンクのようだが、成分的には経口補水液に近い。しかも500mLのペットボトルでエネルギー量はわずか10kcal(キロカロリー)。ペットボトルを振るとさっそく凍結を始め、コップに注ぐとしっかりシャーベット状になった。
実際に飲ませてもらったところ、爽やかな柑橘系の香りでおいしい。甘さはほとんど感じず、さっぱりした後味だ。味はまだ検討中というが、これなら男性に受けそうだ。
弱点を解消する手段にもめどが立ち、アイスラリー冷蔵庫のレンタル事業に力を入れるシャープ。「25年5月にレンタルを始めましたが、顧客企業は900社(25年時点)を超え、今年も安定的に需要があります。来年は3000社への提供を目指します」としている。
なお、アイスラリー冷蔵庫そのものの販売についても要望や問い合わせを受けているが、今のところ予定はないという。水野さんは「工事現場などで使うものですから、冷蔵庫に砂などが入り込んでしまうことも多く、メンテナンスは必須です。また寒い季節はあまり出番がありません。秋に返却してもらい、メンテナンスを行って翌年の夏に再度レンタルしてもらう形がいいと思います」と説明している。
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