Special
» 2005年07月13日 00時00分 公開

10万円未満で買えるWideSXGA+対応21.1インチワイド液晶ディスプレイ──ナナオ「FlexScan S2110W」 (2/3)

[林利明(リアクション),ITmedia]
PR

 前面の操作パネルに静電容量式スイッチを採用したのも目新しい。上/下/左/右やENTERと刻印された部分を指で触れることでOSDを操作する。OSDのユーザーインタフェースは従来製品を踏襲しており、上/下/左/右スイッチのタッチで項目や設定を選択、ENTERスイッチのタッチで決定となる。個人的には、ボタン式のほうが「操作している」という感じがして好きだが、操作性が悪いわけではない。慣れれば違和感なく使える。

前面のスイッチ部 ディスプレイ下部の操作スイッチには静電容量式のタッチセンサーが採用された

 USB2.0ハブも内蔵しており、コネクタ位置は向かって左側面、コネクタ数は2つだ。コネクタ周辺に比較的スペースがあるため、USBメモリやiPod ShuffleといったUSBコネクタに直結する機器もスムーズにつなげられる。

前面のUSB部 USBコネクタの周囲を広めに開けているため、USBメモリやiPod Shuffleといった横幅や厚みのあるUSBデバイスも接続できる

VA系高グレードパネルを採用し、オーバードライブも搭載

 注目のスペックだが、液晶パネルにはVA系の高グレードパネルを採用した。「FlexScan S1910-R」や「同S190」、「同M190」などが採用するVA系パネルと比較すると、白浮きが抑えられ、動画や静止画の表示品質が向上しているという。

 画面の表面処理はノングレアで、光沢面とノングレア面がリバーシブルとなった液晶保護パネル「FP-2100W」(税込み価格1万4175円)もオプションで追加できる。なお、現時点ではS2110WとFP-2100Wのセットモデルは用意されていない。

 輝度は液晶テレビ並みの450カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1と、液晶ディスプレイ全体の中でも最高クラスである。一般的なPC用途(目から画面までの距離は50センチ前後)では、輝度は100カンデラ/平方メートル程度で十分なのだが、少し離れた位置から動画を見るときに、450カンデラ/平方メートルの高輝度が生きてくる。

 内部ガンマ補正も14ビットで演算することで、階調表現力を高めている。内部ガンマ補正とは、S2110Wに入力されるRGB各色8ビットの信号を内部で10ビットに多階調化し、8ビットに再マップして出力する仕組みだ。8ビットから10ビットへの多階調化を14ビット精度で演算することで、特に暗部の微妙な階調(数値でいうと0〜5)の再現性を向上している。この機能も、最新ハイエンドモデルの「FlexScan L887/L997」と同等のものだ。

 ちなみに、内部ガンマ補正を持つナナオの液晶ディスプレイでガンマカーブを測定すると、RGB各色のガンマカーブが滑らかで、ほぼぴったり重なっている。つまり、ほぼ正確な階調と「色」を出力できているということだ。画質重視で液晶ディスプレイを選ぶ場合、内部ガンマ補正の有無はかなり大きなポイントなのである(厳密に言えば、ガンマカーブの調整精度は製品よって多少の差がある。プロ向けのColorEdgeシリーズでは、製造工程にて1台ずつ手作業で調整してから納品される)。

 実際の画質については、試用したのがエンジニアリングサンプルの評価機だったので、参考程度に述べたい。コントラスト比が1000:1のVA系パネルらしく、くっきりしたメリハリある画面だ。黒もしっかり引き締まり、階調にも問題ない。コントラスト比が高いと階調を判別しやすくなるのだが、輝度を上下させても階調が変わらないのは、内部ガンマ補正の効果だ。ほかのFlexScanシリーズと同様に、sRGBモードの色調がほぼ正確である点も良い。

 視野角も水平/垂直178度と広いが、角度による色の変化はそれなりに発生する。割と浅い角度で彩度が落ち始めるのは、VA系パネルの特性だ。画面サイズが大きいため、画面と正対しても四隅では色が若干違って見える。とはいえ、フォトレタッチなどで色に厳密な作業をするのでなければ、気にしなくてよい程度だ。

 また、VA系の高グレードパネルは、「黒」の視野角が広い。視野角における色度変化の少なさはIPS系パネルの方が優れているが、黒に限った場合、IPS系パネルよりもVA系高グレードパネルのほうが色度変化が少ないのだ。IPS系パネルは黒の視野角が意外と狭く、赤みを帯びたり白っぽく見え始める角度が浅い。実用上で画質に与える影響は小さいかもしれないが、覚えておくとよいだろう。

 応答速度は、白→黒→白が16ms、グレーからグレーの中間階調が8msと高速だ。液晶分子にかける電圧の変化を大きくすることで、中間階調の応答速度を改善するオーバードライブを搭載している。同じくオーバードライブ搭載のFlexScan M170/M190は中間階調の応答速度が12msだったが、さらに高速化されたわけだ。

 実写とアニメの動画を見てみたところ、残像がないのはもちろん、ぼんやり感もまったく気にならなかった。3Dアクションゲームも同様で、激しく動くキャラクターの輪郭部分を注視してみても、キリッと表示されている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.