こんなThinkPadが欲しかった!──ThinkPadフリーク座談会ThinkPad X41 Tablet特集(7):座談会(3/4 ページ)

» 2005年08月31日 14時00分 公開
[栗田昌宜,ITmedia]

堅牢性も使いやすさもThinkPadクオリティ

木村 早く発言したくてうずうずしていました(笑)。ディスプレイの回転機構のところがガタガタするのではないかと石井さんがおっしゃっていましたが、実際に触っていただくとすぐにお分かりになると思いますが、そのような心配はご無用です。

X41 Tabletの特長を説明する木村氏

 先ほどから何度か出てきている堅牢性とも関連するのですが、弊社ではディスプレイの開閉テストと同じ回数だけ回転テストも実施しています。このため、ディスプレイの開閉と同等の強度や耐久性が、ディスプレイの回転でも達成されています。

 ディスプレイを閉じた状態のボディ剛性を上げるため、通常のThinkPadでは、ディスプレイのフレームの部分が本体と噛み合うクラムシェル構造になっていますが、X41 Tabletではペン入力時の使いやすさを考慮して、ディスプレイ部をフラットにしています。しかしこれでは横ずれに対する強度が低くなってしまうので、センターラッチを通常のものよりも大きくして、クラムシェル構造と同程度の強度を出しました。

 液晶パネルの保護プレートは、指紋が付いてもすぐに拭き取れます。筆圧が高めの方が書いても大丈夫なだけの強度もあります。また、X41 Tabletは屋外での使用も想定しているので、突然雨がぱらぱらと降ってきてしまったという状況を想定した品質テストも実施しています。

 当然、ThinkPadで通常行っている品質テストはすべて実施していますので、堅牢性は他のThinkPadと何も変わりません。X41 Tabletでは、タブレットPCとしての使いやすさを十分に考慮した上で、他のThinkPadと同じ強度をさまざまな工夫によって実現しています。

飯島 ノートPCモードにしたままペンで書き込むこともよくあるのですが、X41 Tabletはディスプレイのヒンジの部分がしっかりしていてぐらぐら揺れないので、手でディスプレイを支えなくても書き込みできる。ThinkPadの堅牢さはそんなところにも感じます。

ディスプレイを実際にぐるぐると回転させてみて、ぐらつきがないかを確かめる石井氏

石井 通常のX41と比べて、バッテリの持ちはいかがでしょうか。

木村 実は、X41と比較すると、X41 Tabletの方が持ちがいいぐらいです。X41の場合、標準バッテリ(4セルバッテリ)の駆動時間は2.5時間(Battery Mark方式で計測;以下同じ)ですが、X41 Tabletでは2.6時間と若干伸びています。大容量バッテリ(8セルバッテリ)では、X41は5.7時間なのに対し、X41 Tabletでは6.3時間です。ですからX41 Tabletは、外出時も安心してお使いいただけます(編集部注:X41は一部のモデルで4セルバッテリが標準なのに対し、X41 Tabletは8セルバッテリが標準となる)。

 ThinkPadは裏面がけっこう熱くなりますが、X41 Tabletはタブレットモードで抱えて持っても大丈夫なのですか?

木村 ノートPCモードでX41 Tabletを使用している場合は底面からも熱を逃がしていますが、タブレットモードに変更するとファンが速めに回転するようになり、ファン経由で熱を逃がすようになります。センサーがモードの変更を感知して自動的に排熱方法を切り替えるため、ユーザーの手を煩わせることもありません。

ペンの良さが活きる3つのシチュエーション

ITmedia それでは次にタブレットPCの機能や活用方法について、飯島さんの方から説明をお願いします。

タブレットPCを使って、タブレットPCの特長やメリットをプレゼンする飯島氏

飯島 タブレットPCはペンしか使えないと思っている人がいらっしゃいますが、それは全くの誤解です。タブレットPCは通常のノートPCとしても、まったく普通に使えます。タブレットPCはペンが使えるといっても、1日の作業の大半はおそらくキーボード経由で行われているでしょう。私自身のケースでも、それはまったくそのとおりです。

 しかしその一方で、ペンのメリットを活かせるシチュエーションも少なくありません。その中でも我々は、プレゼンテーション、レビュー(文書への朱入れ)、ノートテーキング(メモ取り)の3つを重視しています。

 たとえばPowerPointで、ペンでスライドに書き込みを入れながらプレゼンを行う。これによって伝えたいことが、よりはっきりと相手に伝わります。

 先日面白い実験をしました。通常のノートPCによるプレゼンと、タブレットPCを使ったプレゼンでは、内容に対する理解度やプレゼンへの興味度、購買意欲に差がつくかというものです。結果は、いずれの項目でもダントツでタブレットPCが勝りました。

 なぜこうなったかというと、タブレットPCを使ったプレゼンは、どこを説明しているかが一目瞭然であること、声の情報と書き込みの情報が一度に届くので、情報量が2倍にも3倍にも感じられること、概念的なことを説明する際にもその場で図解を書いて分りやすく説明できること、書き込みを加えることによって、相手によりパーソナライズされたプレゼンのように感じられること──などの特長があるからです。今後のプレゼンは、競争相手との差をつけるためにも、書き込みながら話すというスタイルになっていくのではないでしょうか。

 2番目はレビューです。たぶん見積書や企画書などを電子メールでやり取りしていらっしゃると思いますが、タブレットPCを使えば、わざわざ印刷しなくても、画面上で直接これらのファイルに朱入れをすることができます。私は3年以上タブレットPCを使っていますが、個人的には一番生産性が上がっているところではないかと思います。

 3番目はノートテーキングです。デジタルノートソフトのOffice OneNoteを使えば、テキストはキーボードで、図やグラフなどはペンでささっと書き込めます。取ったメモは簡単に流用できるので情報効率が大幅に高まるほか、あらゆるメモ情報をPC上で管理できるので、検索性も大幅に向上します。

 もちろん先ほども言ったように、残りの大半は通常のThinkPadと同じです。ノートPCスタイルでドキュメントを作ったり、何かを処理させたりといったことは、まったく変わりなく行えます(タブレットPCの活用方法の詳細は、この記事を参照)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.