こんなThinkPadが欲しかった!──ThinkPadフリーク座談会ThinkPad X41 Tablet特集(7):座談会(4/4 ページ)

» 2005年08月31日 14時00分 公開
[栗田昌宜,ITmedia]
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どんどん湧き出すリアルな活用方法のイメージ

ITmedia X41Tablet、およびタブレットPCの機能や活用方法の概要がお分かりいただけたかと思います。説明を聞く前と後とでは、印象は変わりましたか。

大雲 弊社は新製品発表会やイベントなどで講演を行うことがあります。講演では、スピーカーと裏方のタイムキーパーが密接にコミュニケーションを取りながら講演が時間どおりに進むようにしているのですが、テレビ放送でのカンペ出しみたいに、“巻き”などの指示をリアルタイムの手書きコミュニケーションでやるといった活用方法が考えられますね。

飯島 インスタントメッセージソフトのWindows Messengerはインク書き込みに対応しています。これを使えば、クライアントとのミーティングで返答に困るような質問をされた場合、同席者などと筆談で相談しながら答えを出すといった使い方もできます。

 新たにシステムを構築する場合、ホワイトボードにシステム構成図を描き、ああでもない、こうでもないと議論しながら手直ししていくのですが、タブレットPCがあれば、3人ぐらいでしたら画面上でシステム構成図を描きながらざっくばらんに打ち合わせできます。また、それをビジネスグラフィックスソフトのOffice Visioなどで起こせば、とても簡単にシステム構成図が作成できます。以前はホワイトボードをデジカメで撮影し、それを見ながらシステム構成図を起こしていたのですが、僕の入社1年目の苦労はいったい何だったんだろうと(笑)。

石井 先ほど見せてもらったプレゼンのデモは、はっきり言って“目からウロコ”という感じがしました。

 普段プレゼンでは、スライドを紙にプリントアウトしてクライアントに渡し、それを見てもらいながらノートPCでスライドショーを実行するというスタイルでプレゼンを行っています。クライアントから出された要望や、クライアントの反応を見て感じた変更すべき点などは、手元に置いたプリントアウトに書き込んでいるのですが、それはあくまで石井個人の情報で、他の人は分からないわけです。それを関係者各位で共有するためには、会社に戻って書き込みが入ったプリントアウトをコピーしたり書き直したりして、それを相手に渡さなくてはならなかった。

 しかしタブレットPCを使えば、スライドへの書き込みを通じてリアルタイムに情報を共有できたり、その場でメール送信も行えます。業務の効率化にただちに直結する話なので、とても参考になりました。

 言葉ではなかなか表現できないイメージを、その場で確認し合いながら結論まで導き出せる力を秘めていると感じました。サイトのデザインをどうするかなどをクライアントと打ち合わせするときにタブレットPCがあれば、その場でイメージの摺り合わせができる。そういう意味で、非常に仕事に役立ちそうなツールだなと感じました。タブレットPCは縦長表示もできるので、Webページの確認にはもってこいですし。

石井 パソコンはとても便利ですが、何かを覚えておこうとするとき、やはりペンとメモ帳が欠かせないんですね。会社の同僚に以前見せてもらったタブレットPCだと、レスポンスの遅さやさっき言ったような不安材料があったので使いたいとは思わなかったのですが、X41 Tabletなら紙の必要性が少なくなるなと思いました。

木村 私自身もそうだったのですが、タブレットPCというと身構えてしまう部分があったかと思います。独自のアプリケーションやソリューションが必要なのではないか、他の普通のPCとはデータをやり取りできないのではないか、といったいろいろな心配があったと思います。しかし、タブレットPCに接する機会が増え、普段当たり前にやっていることをペンでやればいいんだということが分かって、身構えていたものがスッとなくなって身軽になりました。

本体を収納したままでもペンで書き込みが行えるX41 Tablet専用キャリングケース。背面のアームストラップに腕を通すと本体が手腕にしっかりと固定できるようになるなど、さまざまな工夫が施されている

ITmedia タブレットPCは、実際に見て触ってみないと、実感できない部分があるのでしょうね。

 これまで紙とパソコンは別物だと思っていたのですが、ここまで一緒の感覚で使えるようになっているとは思っていませんでした。意識が改革できて良かったです。書いた線を消すときも、ペイントのように線の上を消しゴムでなぞらないと消せないと思っていたのですが、ストローク単位で消せるので使いやすいなぁと思いました。

飯島 タブレットPCは、ジェスチャーという機能もサポートしています。紙に書いたものを消すときにぐしゃぐしゃと塗りつぶすことがあると思いますが、それと同じことをやると消すというコマンドが割り当てられています。普段人間がさりげなくやっている動作を、コンピュータに理解させているわけですね。我々はナチュラルインタフェースと呼んでいるのですが、そういう工夫も採り入れられています。

大雲 一時は大ブームになったPDAでの苦い経験が、タブレットPCの悪しき先入観になっているのではないでしょうか。タブレットPCもPDAと同じで、やっぱり使い物にならないんじゃないかという先入観です。そのため、実際に見て触らないと、ここまで使えるんだということが分からない。

石井 欲しいです、これ。会社に言って、次はX41 Tabletにしてもらおうかな(笑)。タブレットPCを使えば、石井並びにノートPCを使っている営業パーソンの生産性が上がるということをシステム担当者や管理部門が理解してくれれば、次からはこちらになるのではないでしょうか。そうなって欲しいです。

木村 X41 Tabletは、当初はおもに個人のお客様にご購入いただけるのではないかと考えていましたが、通常のThinkPadとしてもそのまま使えるということで、企業のお客様も増えています。ぜひX41 Tabletをお使いいただきたいと思います。

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