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» 2006年05月26日 13時00分 公開

最先端のゲーム開発に見るディスプレイ環境の実態(後編)──スクウェア・エニックスユーザー事例(1/3 ページ)

スクウェア・エニックスでは、ゲーム開発を行うPCの液晶ディスプレイとして、ナナオの24インチワイド液晶ディスプレイ「FlexScan S2410W」を大量導入した。S2410Wは、ゲームクリエイターが求めるレベルを満たすことができたのか。さらなる要望は? 現在の開発環境が抱える問題点など、ゲームクリエイターの生の声をお届けしよう。

[林利明(リアクション),PR/ITmedia]
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広いワイド画面が好評。画質には若干の不満も……

前編のあらすじ

 前編では、スクウェア・エニックスがナナオの24インチワイド液晶ディスプレイ「FlexScan S2410W」を導入するまでの経緯を紹介した。

 簡単にまとめると、ゲーム開発用に使ってきた大型CRTディスプレイが寿命を迎えつつあるが、新品に交換したくても、高品質な大型CRTはすでに入手困難。そこで液晶ディスプレイへの置き換えを進めるにあたり、対象となる20インチ以上の液晶ディスプレイを集めて品評会を行った結果、WUXGAの24インチワイド液晶ディスプレイの中ではS2410Wが選ばれた。ナナオ製品の信頼性(品質のバラつきや故障の少なさ)への期待も、選択を決めた要因の1つだったという。


話をお伺いした同社技術部インフォメーションテクノロジーグループ システムエンジニア 清水康之氏

同社技術部インフォメーションテクノロジーグループ チーフコーディネータ 小峰隆由貴氏

 ゲームクリエイターの目から見て、24インチワイド液晶ディスプレイ「FlexScan S2410W」の良いところは、高解像度なワイド画面だという。WUXGA(1920×1200ドット)の解像度は、それまで使っていたCRTディスプレイのUXGA(1600×1200ドット)と比べて横に長い。ゲーム開発に使われるグラフィック系や3Dモーション系のアプリケーションでは、ツールパレットを左右に配置したときに、画面中央の作業エリアをより広く取れる。具体的にいうと、作業エリアがほぼUXGAである点が使いやすいのであろう。

 また、RGBゲインや6色独立調整といった、豊富な色調整機能の評価も高い。

 スクウェア・エニックスでは、特にテクスチャや背景画像の描画等、色にこだわる職種で使われるPC用モニタは、テレビ出力時のソースとなるデータ制作を行うこともあり、RGBの各値が均等、かつ正確に発色するように、また、各モニタが同じ発色になるように、1台1台のモニタを入念に調整している。発色に多少なりとも個体差があるディスプレイの場合は、特に色調整機能が重要だった。

 これとは別に、「作業しやすい色に調整できるか」という点も大切だ。

 いささか極端な例を紹介すると、RGB各色のゲインを低い値(コントラストが非常に低くなる)にして、モデリングのワイヤーフレーム表示での長時間作業でも目が疲れにくくなるようにしたり、テクスチャのグラフィック品質を厳密にチェックできるようにしているケースもある。このため、清水氏が故障かと思って調整しようとしたところ、クリエイターから「触らないでくれ!」と止められたというエピソードを聞いて、妙に納得した。

 このように、RGBゲインや6色独立調整は素人がいじるとまず逆効果だが、その道のプロには必須ともいえる機能なのだ。

「また、作業しやすくという点では、最近の液晶はバックライトが明るすぎるものが多いので、見やすいように、ちゃんと暗く調整できるのも重要ですね」(清水氏)

 ちなみに、スクウェア・エニックスの開発環境では、開発に用いる液晶ディスプレイの色温度はNTSC準拠の9300Kに設定している。制作された各種のグラフィックは、家庭用テレビに出力してチェックされる。修正が必要な場合は、開発用のPCと液晶ディスプレイでデータを微調整し、再び家庭用テレビ画面で確認という作業を繰り返す。このため、色データとしてのRGB値を画面上のグラデーションとして正確に発色できるかという点が、開発用の液晶ディスプレイに高いレベルで要求されるわけだ。


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提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日