S9より小型、軽量になった、仕事に使えるモバイルPC――dynabook SS SX(3/3 ページ)
dynabook SSシリーズの新型「dynabook SS SX」は、これまでのシリーズとデザインコンセプトを大幅に変更し、よりコンパクトに、そしてバッテリー持続時間も大幅に向上した。新しいSXシリーズはどのようなマシンに仕上がっているのだろうか。
使い勝手を優先に配置されたポート類
左側面は、電源コネクタ、VGAコネクタ、LANコネクタ、USB 2.0×1、CFカードスロット、SDメモリーカードスロットとなっている。このあたりはインタフェースに妥協したくない東芝のこだわりと言ってよいだろう。
右側面は、PCカードスロットと無線LANのオン/オフスイッチ、USB 2.0×2、モデムコネクタ、そしてセキュリティロックスロットとなっている。USBコネクタが左右に出ているのは、使い勝手から考えても評価できる。なお、背面はバッテリー装着部分のみで、スロット類は存在しない。
さて、SXのボディの新しさは底面にも現れている。重量軽減および冷却のためだろうか、かなりの穴が開いている。しかもSXはS9と同規格のファンを搭載し、CPUの温度変化に応じて回転する。
PCの静音化、ファンレス化というトレンドからすると若干マイナスイメージでとられがちだが、ここもまた東芝のこだわりの一つ。ファンを外して温度に応じてCPUのクロックを自動で下げてしまうよりは、あくまでもCPUクロックを落とさずにパフォーマンスを維持させ、PCを稼動させ続ける、という考えのもとで決めたスペックとのことだ。
またHDD保護のため、SXでは応力分散ドーム式構造を採用している。これは、外からの圧力をドーム周辺に分散させ、HDDへの衝撃を極力吸収するためのものだ。ただし、小型化の影響で、これまでのSSシリーズでは1カ所を外すだけでHDDをメンテナンスできていたが、SXでは底面を外さないとメンテナンスできない。
最近のdynabookは、タッチパッドの多機能化も積極的だ。dynabook SSシリーズは企業内個人やビジネス向けがメインなこともあり、使い勝手を向上させる各種の機能が付加されている。
タッチパッドにはアルプス電気製を採用し、さらに「パッドタッチ」というユーティリティーを追加している。これはタッチパッドの4隅に数秒触れることで、ユーザー指定のアプリケーション起動や、Ctrl+Cなどの動作を行える。
これまで見てきたように、S9より小型になったSXは、派手さはないが忠実で質実なノートPCに仕上がっていると思う。併売されるS9とは異なり「薄いモバイルPC」ではないが、小型軽量化が図られ、バッテリーの持続時間も長い。「仕事に使えるモバイルPC」を選ぶなら、このマシンも選択肢に入ってくるだろう。
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