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カラーFAX機能を搭載する低価格複合機――キヤノン PIXUS MP390(3/3 ページ)

キヤノンのインクジェット複合機「PIXUS MP390」は、昨年秋に発売された「PIXUS MP370」の上位モデルだ。プリンタ部とスキャナ部のスペックはMP370と同じだが、新たにスーパーG3規格に対応したカラーFAX機能を搭載した。

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 印刷の画質は、他のPIXUSシリーズと比較すると、発色が薄く感じる。コントラストも低めで、シャドウ側のトーンを持ち上げて中間調からハイライトを重視している印象だ。粒状感はほとんど気にならないレベルだが、上位モデルより印刷解像度が低いため、目を凝らして見ると若干のザラつきは判別できる。

 スキャンの画質は高く、手動の補正はほとんど不要なレベルだ。シャドウとハイライトの微妙な階調がよく表現されており、色の再現性もよい。中間調のトーンを上下させたり、彩度を調整すると、より好みに合った発色でスキャンできるだろう。

 MP390はコストパフォーマンスが高い。フチなし印刷とFAX機能を搭載しつつ、実売で3万円台というのはお買い得だ。ただ、競合他社の最新製品と比較した場合、液晶モニタの有無、プリントエンジンのグレードなどで劣っているように思う。筆者の個人的な希望としては、本体サイズとデザインはMP390、性能と機能はMP740/710という複合機が欲しい。FAX機能や液晶モニタの有無によって、複数のモデルが選べるとさらによいだろう。

印刷サンプル

※サンプルはすべてL板で印刷したものをGT-9800Fでスキャンしています。参考としてご覧ください。

Easy-PhotoPrintを利用して印刷

  • 作例1

「プロフェッショナルフォトペーパー」「品位1」「自動補正なし/画質優先」で印刷。色ノリが少々甘いが、色調は元画像に近い。明度が高く、コントラストが低めなので、画像によってはシャドウが浮いてしまうことがある
  • 作例2

「プロフェッショナルフォトペーパー」「品位1」「自動補正あり/画質優先」で印刷。「自動補正なし」と比べてコントラストが高まり、シャドウも引き締まった。色ノリもよくなったが、鮮やかさが若干失われている。どちらがよいかは好みのレベルだろう

Photoshop Elements 2.0を利用して印刷


「プロフェッショナルフォトペーパー」「品位1」「カラーマッチング(Adobe RGB)」で印刷。Easy-PhotoPrintの出力と見比べると派手に感じるものの、元画像の発色にはもっとも近い。コントラストが低めなのは変わらずだが、空の水色、花の赤と黄色で、色ノリと鮮やかさがかなりよくなった

スキャンサンプル


L版サイズの写真をスキャン。原稿の色をかなり忠実に再現してくれる。黒つぶれと白とびに強く、いろいろな素材として高品質な画像だ。ちなみに、筆者はTWAINドライバで中間調のトーンを少し持ち上げて取り込んだ画像が、一番しっくりきた(オリジナル画像はこちら

プリント、スキャン、コピー時間

  • プリント時間

用紙はL判がプロフェッショナルフォトペーパー、はがきがインクジェット官製はがき、A4が普通紙だ。決して速いとは言えないが、日頃から大量に印刷するのでなければ、ストレスは感じないだろう
  • スキャン時間

プレビューは画像表示からキャリッジリターンまでのタイムだ。プレビューがもう少し速いとよかったが、本スキャンは全体的に高速。インタフェースがUSB2.0 Hi-Speedなので、高解像度スキャンでもCCDの動きが止まらない(PCへのデータ転送が間に合っている)
  • A4普通紙コピー時間

コピー原稿は、キヤノン最新の「インクジェットプリンタ総合カタログ」の34ページ目でテストした(MP390の紹介ページ)。上位モデルのMP740/710などと比べると遅いが、これくらいの速度ならまったく気にならない。「A4カラー(フツウ)」が大幅に遅くなるのは、原稿の薄い背景色まで印刷するからだ。「A4カラー(ハヤイ)」、「A4モノクロ(ハヤイ/フツウ)」では、背景の薄い色の部分はほとんど印刷されなかった
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