きょうは64MバイトメモリのASUS「Extreme N6200TC256/TD/64M」に逆襲された:グラフィックスカード(2/2 ページ)
16Mバイトのメモリを載せたGeForce 6200 wTCをレビューして「パフォーマンスがねぇ」と思ったものの、64Mバイトならそれなりのコストパフォーマンスでは?と気になっていたところ。ようやく役者がそろってきた64Mバイト搭載モデルで再度チェックしてみよう。
低解像度で各種フィルタ設定が無効になっている軽負荷状態におけるN6200TC256のパフォーマンスは、16Mバイトモデルから格段に向上している。値にして2倍近い伸びでRADEON X300に肉薄。とはいえ、RADEON X300を下回っているのは、16Mバイトモデルと変わりない。
最新の3DMark05や、Direct X 9が多用されるAquamark3の結果でも、16Mバイトモデルから大きく向上しているものの、RADEON X300との差はさらに大きくなる。3DMark03の重負荷条件テストで、結果が大きく落ち込んでしまうのも、16Mバイトモデルと同様だ。
64Mバイトのビデオメモリをローカルで持ったおかげで、自前のメモリで処理できる分はパフォーマンスが改善されたものの、いったんメインメモリの手を借りるようになると、急激に低下してしまう傾向は16Mバイトモデルと変わらないことが分かる。
なお、いつも行っているレギュレーションで設定する解像度やフィルタ設定では実用的なフレームレートがでていないため、今回も、前回レビューしたGeForce 6200 wTC(16Mバイトモデル)と同様、ゲームベンチの結果は掲載していない。
しかし、それはあくまでもゲームベンチとしてほかの製品と比較するためにそろえた、比較的重い条件であるため、ユーザーが実際にゲームする状況と異なっている場合も多いだろう。とくに、アクションを重視するゲームのユーザーは解像度やフィルタリング設定より、まずはフレームレートを最優先して設定されることと思う。
そこで、どのような設定までならGeForce 6200 wTC(64Mバイトモデル)で実用的なフレームレートがたたき出せるか、その「攻勢限界ライン」とも言うべき設定を「DOOM 3」を例にして、探ってみることにした。
以下は、DOOM 3で解像度と異方性フィルタリング、そしてクオリティの設定を変更しながらtimedemoを行ったときのフレームレートだ。解像度を800×600ドットから、画質を“HIGH”からはじめているので、ゲームユーザーが求める最低ライン30fpsもクリアできていない。もっとも軽い条件で26fps。すでにこのあたりがギリギリのラインとなっているだろう。
解像度 | Aniso設定 | クオリティ | フレームレート |
800×600 | non | High | 26fps |
1024×768 | non | High | 18.1fps |
1280×1024 | non | High | 11.6fps |
800×600 | 4X | High | 9.4fps |
800×600 | non | Ultra | 20fps |
1024×768 | non | Ultra | 12.7fps |
800×600 | 4X | Ultra | 7.6fps |
20fpsがギリギリのギリ、15fps(昔はこの程度のフレームレートでも辛抱していたのですが)がギリギリのギリギリ、とすると、Highクオリティで1024×768ドットのフィルタ設定なし、が限界点となり、Ultraクオリティでは800×600ドットのフィルタ設定なし、が限界点になる。
ローカルにメモリをたくさん載せようとも、メインメモリの手を借りるとパフォーマンスがガクッと落ちる、というのがGeForce 6200 wTCの特性ではあるが、ならば、メインメモリにインテルがプッシュするDDR2を組み込んだら、この弱点はいかほど改善されるだろうか。
PC全体のパフォーマンスには、(今のところ)劇的な貢献をしていないDDR2-533であるが、GPUにたいするパフォーマンスの貢献度を調べるために、CPUの条件をそろえ、マザーをDDR2-533対応スロットを持つインテルの「D915PBL」に変更して3DMark03を測定してみた。
「FSB1066MHzにしないのか?」という声もあるだろうが、GeForce 6200 wTCを選択するユーザーを考えると、Pentium 4/3.46GHz PEとIntel 925XEの組み合わせはかなり稀ではないかと思われるので、今回は対象外としている。
ベンチマークシステム環境その2 | |
CPU | Pentium 4/540(3.2GHz) |
マザーボード | Intel D915PBL |
メモリ | DDR2-533 512MB×2ch |
HDD | ST3160023AS |
OS | Windows XP Professional +SP2 |
3DMark03のScore値は、DDR2-533を組み込むことで、GeForce 6200 wTCのパフォーマンスは大きく改善されることを示している。重負荷時でパフォーマンスが落ち込む傾向は変わらないもの、軽負荷時の成績では、PC3200を使っていたときにどうしても抜かせなかったRADEON X300をようやく上回ることができた。
自作ユーザーにとって、GeForce 6200をwTCを採用するコストパフォーマンス重視PCで、コストがかかるDDR2メモリを搭載するのは現実的でないだろう。しかし、最近のメーカー製PCではミドルレンジやコストパフォーマンスを意識したラインアップにもDDR2を採用するモデルが増えてきている。そのようなPCでGeForce 6200 wTCとDDR2が組み合わさっているならば、軽負荷時のパフォーマンスにはある程度期待していいかもしれない。これは、VAIO type SのようなノートPCでも同じだ。
いずれにしても、3DMark03などで見られたように、フィルタ設定を有効にして3Dで扱うデータ量が膨らみ始めたとたんにフレームレートは急激に落ち込んでしまう。ただ、前回のレビューでも述べたように、それはGeForce 6200 wTCの宿命であって、3DグラフィックスのパフォーマンスをこのGPUの最も重要な性能と考えてはいけない。
64Mバイトのメモリを搭載することで実売価格がどの程度まで跳ね上がるのか気になるところだが、今のところN6200TC256の実売価格は8000円前半となっている。同じASUSのGeForce 6200/128Mバイトの実売価格が1万円強と約2000円の差。コストを最優先で3Dパフォーマンスはそれなりで可、というユーザーならば、N6200TC256は有力な選択肢となってくるだろう。
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