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暑い時期には低クロックでスローライフ──TyanのGeode NXマザーを試す(中編)CPU&マザー(3/3 ページ)

前回、無事組み立てが終わり起動してくれたGeode NX&Tyanの対応マザー「Tomcat K7M」だが、どうもパワマネが効いていないようだ。そこで、PowerNow!をはじめとするパワマネ機能を導入してとことん省電力動作に挑んでみる。

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SocketA用マザーとしてはどうか?

 このマザーボードはGeode NX専用ということだが、もともとの経緯からいって、Socket AのCPUが使えてもおかしくない。そこで、手持ちの(モバイルではない)Athlon XP 1700+をぐさり、と差し込んでみた。もちろん保証の範囲外の行為であるから、あくまでもお話として聞いてほしい。


Geode NX専用マザーのSocket Aに差される直前のAthlon XP。少し緊張しているようだ

 少しばかりドキドキしながら電源を入れると、あっさりと認識。1466MHzと表示される。このCPUのコアはThoroughbredなので、やはりThoroughbredコアのGeode NX 1700(実クロック1400MHz)とはかぎりなく近いことになる。この状態でLinuxを起動したところ、もちろんcpuspeedは動作せず。

 CPU: AMD Athlon(tm) Processor stepping 01
 Enabling fast FPU save and restore... done.
 Enabling unmasked SIMD FPU exception support... done.

 このように、dmesgでもPowerNow!が作動した様子はない。消費電力を計ってみると、アイドル時で58ワット、Super PI計算時で64ワットとなった。

 次に、BartonコアのモバイルAthlon XP-M 2400+を差してみる。これが使えれば、クライアントとしても使えるパフォーマンスで、低消費電力のシステムが夢ではなくなる。……そう思って電源を入れたら、まったく起動しない。なんどやってもウンともスンとも言わないところを見ると、動かない仕組みが用意されているのかもしれない。念のため、モバイルDuron(Morganコア)を差してみたが、こちらもウンスン言わずじまいだった。


動かなかったモバイルAthlon XP-M。彼は理不尽な扱いに無言で抗議した

猛暑専用のシステムとしてお奨め

 従来、AMDのモバイル系のCPUにBIOSレベルで対応したマザーボードはほとんど存在しないか入手が困難だったが、TyanのTomcat K7Mは比較的入手もしやすいようだ。ただ、このクラスのマザーにしては少々価格が高いこと、使ってみた限りでは、ほかのモバイルAthlon XP-Mに対応していないことが少しだけ残念である。

 しかし、いままでいろいろなマザーにモバイルAthlonを差しては「動く!」だの「動かない!!」だのと一喜一憂していたことを思えば、ずいぶんな進歩だ。

 暑い夏の間だけ、低クロックで涼しげなマシンを使ってみたい(AMD好きの)あなたには、ぜひお勧めのマザーボードである。

(さらに次回では、ローパワーなシステムで有効な使い方を試すべく、Linuxを導入してその可能性を探ってみる)

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