半月で予兆、早くも──“別の街”に変化していく秋葉原とアキバ(3/3 ページ)
先月16日、国内最大規模の家電量販店「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」が秋葉原駅前にオープンし、半月が経過した。この巨大店舗の登場にアキバの既存ショップやユーザーは、早くも秋葉原という街の変化を感じているようだ。
秋葉原の老舗ということでいわゆる“おごり”があった
いっぽうのサトームセンは「ヨドバシさんが脅威なのは否定しません。当店もオークション大会などのキャンペーンで注目を集めていきたいと思います」とコメント。キャンペーンには「対ヨドバシ」といった明記こそしていないものの、明確な対策を打ち出していた。
もう1店、ヨドバシを意識しいくつかの店舗をリニューアルしたラオックスも、ヨドバシオープン直後の休日中は特価キャンペーンを開催した。「ヨドバシさんがオープンしてお客さんも増えたということで、こちらも盛り上げていきたい」と店舗そのものの活気付けはもちろん、総合的に秋葉原を活気付けたいと前向きな姿勢だ。
某老舗店店長氏は、あくまで個人的な考えと前置きしながらもこう語る。これら店舗らを代表・代弁するコメントといえるのではないだろうか。
「秋葉原の老舗ということでいわゆる“おごり”があったことも、今回のヨドバシさん出店により改めて認識させられました」
「一時の盛り上がりだけでは判断できませんね。1、2か月経過し、お客さんが減っているのか増えているのか、総じて売り上げはどうだったなのか。そこから具体的戦略も考えたい」
「向こうさんをつぶすほど打撃を与えることはできないでしょうが、こちらもむざむざ“つぶされ”はしませんよ。我々のがんばりが秋葉原を盛り上げ、そしてもちろんお客さんのメリットになるよう展開していきます」
そして、アキバと秋葉原
既存アキバユーザー、そして既存ライバル店やその周辺。秋葉原再開発地区の1部分にすぎないヨドバシ周辺だけ見ても、その反応はさまざまだ。
あるアキバユーザーは「向こう側は“別の街”」と語った。確かに秋葉原全体として考えると“別の街”になっていくのかもしれない。それは電気街、観光地、オフィス街、そしてアキバ系といった特徴すべてを含めてである。
そしてアキバと秋葉原、その言葉の使い分け方がいっそう難しくなっていく──。アキバと秋葉原が別の街なのであればなおさらである。
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