富士通が考える、近い将来のリビングPCの姿:WPC EXPO 2005(2/2 ページ)
WPC EXPO 2005 富士通ブースに、同社が考える「近い将来のリビングPCの姿」なるコンセプトモデルが展示されている。PCはメタモルフォーズされ、テーブルに、あるいは台になってしまう……のだという。
リビングPCは、家具調ではなく家具そのものに?
次はリビングルームに設置といえど、よくあるモデルのようにTV然としていることでリビングルームに置かれるものとは異なる、家具調PC「Side Table Terminal」である。仮称の通り、ソファやベッドルームわきに置くような、コの字型のサイドテーブル調となっている。サイドテーブル調/家具調というより、サイドテーブル/家具なのかもしれない。
正面から見るとテーブルに置かれたノートPCのような、あるいはキオスク端末のような感じだが、横から見ると、完全にコの字型のサイドテーブルだ。ディスプレイは可倒式でフタを開けるように操作するイメージとなっている。
もう1つ特徴的なのがキーボード。キー含めてすべてがタッチパッドなのである。電源を入れると表面にキーボード/トラックパッドの図柄が浮かび上がる仕組みだ。テーブルであるということと、使用シチュエーションとしてそれほどハードな文字入力が想定されないことから、このような仕様となっているという。
最後は「Living Room Server」。一見ローテーブルのようで(Side Table Terminalを見たあとだとなおさら)何だか分からないデザインだが、その説明を読むと納得する。PCはそのままテレビ台になってしまったのである。
Serverの名の通り、PCというよりHDDや光学ドライブ、ネットワーク端子を備えるメディアセンター的役割を果たすマシンといったコンセプトとなっている。
表面に肉厚ガラスパネルを用いるなど、TV台としてTVを設置できる強度はもちろん十分に確保されている。前面のフタを開くと、光学ドライブやメモリカードリーダー、各種インタフェースなどが備わっている構造になる予定とのこと。その下にキーボードなどが収められるスペースも空いている
最近は、32インチディスプレイ搭載のモデルやメディアセンター的役割も果たす機能を持つモデルなど、リビングルーム設置を想定するPCが多く登場し、メーカーとしてもそこがPRポイントの1つにもなっている。
ただし各社は、このリビングPC=家庭用映像機器とPC機器の狭間にある、このジャンルのシチュエーション設定や提案のしかたを、まだまだ模索している段階にある。説明員氏によると「これらのコンセプトモデルを、5年以内には形にしたい」というが、PCとAV家電を分ける垣根がなくなってきている現在、それほど先でもない気がするのである。
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