Antecが投入する「環境にやさしい」PCケースと電源ユニット
米国はフリーモントに本拠を置く、日本では電源とPCケースで知られるAntec。2年前から日本に製品を出荷し始めた同社から新製品の発表にあわせてワールドワイドセールス・マーケティング担当副社長が来日した。
今回日本で発表されたのは電源ユニット「Neo HE」シリーズとPCケース「P150」。Neo HEは同社のハイエンド電源ユニット「NeoPower 480」をベースに開発。同社の製品で採用されている必要なケーブルだけを接続する「ケーブルマネジメントシステム」を採用している。米国Antecから来日したスコット・リチャーズ氏(ワールドワイドセールス・マーケティング担当副社長)は、「各電源ごとに独立した回路を持たせ、それぞれの系統で最大のパワーを引き出せる」とNeo HEをアピールした。
リチャーズ氏は、Neo HEのキーワードとして「環境に優しい電源ユニット」を強調。「Neo HEの開発は消費電力の削減とノイズの削減を重視して行われた」と述べ、消費電力を減らすことで発熱量も抑えられ、「80ミリサイズの静音ファンを低速で回転できるようになったおかげで、18dBを下回る騒音レベルを実現した」(リチャーズ氏)
Neo HEシリーズは最大出力ごとに「Neo HE 380」「Neo HE 430」「Neo HE 500」「Neo HE 550」の4モデルが用意されている。11月7日から販売される予定で価格は9500〜1万6000円と発表されているが、各モデルの価格は「現在策定中」(リチャーズ氏)とのこと。
PCケース「P150」はすでに日本で販売されて好評だった「P180」と同じ「Performance One」シリーズ。P180は3層構造の筐体パネルによって振動を抑え、発生音を低くしていたが、P150ではコストを削減するために2層パネルに変更。ただし、各パネルの内側にポリカボネード板を貼り付け、3層構造パネルと同様の機能を実現させようとしている。
P150は静音性能を重視するユーザーをターゲットにしたPCケースとしてデザインされており、P180と同じシリコングロメットを装着したリジットのドライブベイのほかに、輪ゴムのようなスプリングでHDDを筐体に「ぶら下げる」サスペンションシステムを採用。リジッドドライブベイとサスペンションシステムは排他関係で、リジッドドライブベイなら3.5インチサイズHDDを4台まで、サスペンションシステムなら3台まで搭載可能。
P150で採用された「サスペンションシステム」はドライブユニットの横に渡した2本のゴムでHDDドライブを「はさむ」ことで固定する。「シャーシと接触していないので防振静音に優れている」とはリチャード氏の弁
PCケースファンで標準装備なのはリアにある12センチサイズのAntec製ファンのみ。このファンは3段階で回転数を変更でき、PCパーツの構成に合わせた設定が可能。また、フロントには8センチサイズファンを2基取り付けられるスペースも用意されており、フロントには水洗いができるメッシュカバーも装備している。
電源ユニットはNeo HE 430を搭載。ほかのNeo HEシリーズと組み合わせたバリエーションに関してリチャード氏は「ユーザーから多大な要求があれば対応するが、Antecとしてはこの電源とP150の組み合わせが、静音性能とパフォーマンスを最も期待できると考えている」と回答している。
出荷は11月7日からの予定。なお、Antecの資料には価格約2万円と説明されているが、これは米国における価格設定であって日本においてはNeo HE同様「現在策定中」となっている。
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