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ハイエンドに匹敵する機能と性能を備えたミドルクラスの複合機――PIXUS MP800(4/4 ページ)

キヤノンの「PIXUS MP800」は、最上位モデル「PIXUS MP950」の1つ下に位置する複合機だ。プリントエンジンとCCDのスペックが落ちるものの、機能と性能は肩を並べる。価格面も含めて、今年の売れ筋になりそうな注目度の高いモデルだ。

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目立った欠点もなく満足度は高い

 MP800とMP950の大きな違いは、インクの色数からくる写真印刷の発色傾向と階調表現だ。厳密に見ればMP950が優れているが、一見して好ましいのはMP800である。また、インクの色数はランニングコストにも影響し、L判1枚あたりのメーカー公称値は、MP950が14円、MP800が9円だ(用紙を含まない点に注意)。次項で示しているように、印刷速度とスキャン速度も、MP800のほうが高速だ。

 本体はマルチペーパーハンドリング仕様で使い勝手がよく、CD/DVDレーベル印刷とコピーに対応し、顔料Bkインクのおかげで普通紙の文字印刷もきれいだ。欠点を挙げるとすれば、液晶モニタの視野角と表示品質、大きな原稿をセットすると操作パネルが隠れる点などだが、特に問題視するほどのものではない。価格的に見ても、MP950よりも幅広いユーザーにおすすめできる。

速度比較

 動作速度はMP950とMP800で比較してある。印刷速度の全般でMP800が高速なのは、インクの色数、シアン/マゼンタのノズル数(MP900は各512、MP800は各1024)が理由だと思われる。印刷ヘッドのパス数も、MP800のほうが少ないとのことだ。

  • A4普通紙コピー
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デフォルトの画質モードは、カラーもモノクロも「標準」。「きれい」にするとカラーインクのにじみが増えて細部がつぶれやすくなるので、「標準」モードが最適だ
  • メモリカードダイレクトプリント
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本体のスタートボタンを押してから排紙までの時間で、メモリカードのリード時間とデータの処理時間を含む。アルバムに入れて鑑賞するには、画質モードは「標準」で十分だ。MP800のほうが高速だが、それほど大きな差ではない
  • PCプリント
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紙送り開始から排紙までの時間。L判フチなしは純正の「プロフェッショナルフォトペーパー」、はがきフチなしは「インクジェット官製はがき」を使った。L判フチなしの画質モード「品位1」(最高画質)のみ、MP950が速かった。L判写真印刷の画質は「標準」モードで十分だが、はがき印刷は「きれい」モードがよい。「標準」モードだと、部分的にだが粒状感が見えやすくなる
  • PCスキャン(反射原稿)
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全面プレビューとA4の原稿は、キヤノンインクジェットプリンタ総合カタログ(2005年9月版)の表紙。全面プレビューはCCDリターンまでの時間だ。MP800は、CCDが移動を始める前のキャリブレーション動作に、10秒ほど要する場合もある。MP800が高速なのは、MP950のCCDよりも感度が高いためだろう
  • PCスキャン(35ミリネガスリーブ)
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サムネイルプレビューは、MP950が12コマ、MP800が6コマなので、単純な比較ではない。それでも、約17秒というのはかなり高速だ。反射原稿スキャンと同じく、MP800は事前のキャリブレーションに時間がかかる場合もある。グラフの結果は、キャリブレーションが短時間だった場合のものだ
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