レビュー
ハイエンドに匹敵する機能と性能を備えたミドルクラスの複合機――PIXUS MP800(3/4 ページ)
キヤノンの「PIXUS MP800」は、最上位モデル「PIXUS MP950」の1つ下に位置する複合機だ。プリントエンジンとCCDのスペックが落ちるものの、機能と性能は肩を並べる。価格面も含めて、今年の売れ筋になりそうな注目度の高いモデルだ。
写真印刷はメリハリ系の発色
写真印刷の画質は、4色印刷ながら、6色印刷のMP950に匹敵する。精細さや粒状感のなさは、目視で判別するのは不可能に近い。
発色はコントラストと彩度を高めた記憶色系&メリハリ系で、あっさり明るめだったMP950とは異なる。どちらがよいかは好みの問題だが、一見して見栄えがよいのはMP800だろう。
一方、階調表現はMP950のほうが丁寧だ。もっとも分かりやすかったのは人物の髪で、MP800はコントラストが高いので微妙につぶれる部分があった。MP950は暗部のトーンを若干持ち上げることもあってか、髪の毛のディテールをより細かく描写できている。この辺りは、中間調からハイライトで効果を発揮する、低濃度フォトインクの有無による差だろう。
スキャン画質は特に問題ないが、ネガフィルムで明度が高くなり、シャドウが浮き気味になるようだ。スキャナドライバの「ScanGear MP」を拡張モードにして、トーンカーブ調整のプリセット設定「露出アンダーにする」を適用すると良好な結果となる。場合によっては、褪色補正を「弱」で適用してみるのも効果的だ。もちろん、スキャン後のフォトレタッチソフトでも簡単に補正できる。
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