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「4倍高速」なMacBook Pro、魅力は何倍?(3/4 ページ)

インテル版Mac miniの発売も始まり、製品ラインアップの約半分がインテルCPUに移行したアップル。現在、新生Macで唯一のノートPC製品であるMacBook Proの実力と可能性を探ってみた。

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液晶ディスプレイとバッテリー駆動時間

 システム性能以外の特徴についても見てみよう。従来のPowerBook G4ユーザーにとって、まず気になるのがバッテリー動作時間だ。バッテリーをフル充電した状態で、省エネルギー設定の「省エネルギー優先」を選択し、再生時間148分の「2001年宇宙の旅」のDVDを再生してみた。結果、バックライトをもっとも明るくした状態では138分ほどのところでバッテリーが切れた。

 一方、バックライトをもっとも低くして(オフではない)再生したところ、148分をフルに再生し終えた後、さらに15分ほど再生できた(メニューの切り替え操作などを行なったが合計で164分動いた)。DVD-Video再生ではDVDドライブにアクセスし続けるためバッテリーの消費が激しいので、通常の利用ではこれよりもはるかに長い時間動作するはずだ。ちなみにフル充電直後のバッテリー残量表示は3時間弱だった。

 PowerBook G4に比べてバッテリー寿命が飛躍的に伸びているという印象はない。スティーブ・ジョブズ氏が1月に行なった講演を注意深く振り返ると、Intel Core DuoはPowerPC G4と比べて消費電力あたりの性能が4倍向上していると言っているが、MacBook Proの性能がPowerBook G4の4倍だとすると、バッテリー動作時間はほぼ変わらないということなのかもしれない。ただし、バッテリー寿命の伸びは期待していたほど大きくないかもしれないが、代わりにうれしい点もある。

 1つは液晶画面の明るさだ。アップルはMacBook Proの液晶パネルがPowerBook G4に比べて66%明るく、Apple Cinema Display相当だとしている。実際に両者の明るさの違いは比べれば一目瞭然だ。

display
MacBook Pro(左)と2世代前のPowerBook G4(ベンチマークテストに使った高解像度版とは異なる)を比較した。後者の経年劣化もあるとはいえ両者の明るさの違いは大きい。なお、写真はISO感度400、シャッタースピード100分の1、F値7.1で撮影しており、画面は実際に見えるよりも暗めに写っている

 もう1つうらやましいと感じたのは、内蔵スピーカーの音質だ。これまでのPowerBook G4のスピーカーは、ほかの多くのノートPCと比べるといい方だが、それでもやや音がこもったような印象があった。しかし、このMacBook Proでは同じ音楽を再生しても音に明瞭さがあり、広がりが感じられる。外付けディスプレイをつなぎ、本体を閉じた状態(つまり液晶画面がスピーカーをふさいでしまっている状態)の利用でも、筆者のPowerBook G4(2005年初頭に発売された15インチモデル)と比べると明らかに音がクリアだった。

楽しいギミックが満載

 リモコン受光部を内蔵し、Front Rowが使えるようになったのもうれしい。デジタルコンテンツをLAN経由で再生できるため、デスクトップPCに比べ内蔵HDDの容量が少ないMacBook Proではなおさらだ。すでにMacを持っているユーザーは、旧機種に曲や映像をどんどん取り込んでおけば、実際の視聴はFront RowやiTunes経由で楽しむことができるし、本機の内蔵HDDに空き容量を確保できる。何より家中どこでも好きな場所で、好きな姿勢でコンテンツを楽しめる自由は代えがたい。

 新機構のMagSafeも便利だ。これは電源アダプターに足をひっかっけて、本体を机から落っことしてしまうのを防ぐための機構で、電源アダプターのコネクタがマグネットで本体に吸着する仕組みになっている。

magsafe 新機構のMagSafeは本体の落下や端子の損傷を防いでくれる

 コードが強くひっぱられるとコネクタが簡単にはずれてPC本体の落下や端子部の破損を防いでくれる。端子は上下どちら向きでも吸着し、充電済み/充電中がわかる2色のLEDが点灯する。ただ、MacBook Proを手前や奥に置き直したいとき、あまり勢いよく動かすとMagSafeが外れてしまうのはちょっとわずらわしかった。


 iSightの内蔵もうれしいニュースだが、外付けのiSightに比べて気になる点がいくつかある。まず内蔵iSightは、明るさやホワイトバランスは自動調整してくれるものの、向きや角度が液晶ディスプレイの方向に依存してしまうため用途は絞られる。このためビデオ会議や付属の「PhotoBooth」や「Comic Life」といったソフトには使えるが、会議の様子を撮影したりといったことには向かない。また画質も外付けiSightと比べると少し見劣りがする。

comiclife
内蔵iSightの映像は、外付けiSightほどは明るくない。それほど明るくない室内での撮影ではややくすんだ感じになる。新たに付属したソフト、Comic Lifeを使えば簡単に自分の写真を漫画の枠の中に貼付けることができる

 また、内蔵iSightを使った場合、マイクは左のスピーカーグリルに埋め込まれた内蔵マイクを使うことになるが、このマイクはタイピング音やハードディスクのノイズを拾いやすい。外付けiSightは音声用のマイクとしても優れているので、人によっては内蔵iSightに加え、さらに外付けiSightが欲しくなるかもしれない。

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