HSDPA対応のノートPCが登場──Fujitsu Siemensの「LIFEBOOK Q2010」:CeBIT 2006
Fujitsu Siemensが発表した「LIFEBOOK Q2010」は、HSDPA準拠の3G通信機能を内蔵した、SIMカードスロット付きノートPC。5月に全世界で発売予定だが、日本での発売は未定だ。
Fujitsu SiemensはCeBITで、HSDPA対応のノートPC「LIFEBOOK Q2010」を発表した。高級感のあるピアノ塗装調のボディにHSDPA準拠の3G通信機能を内蔵、SIMカードスロットを備えた製品だ。
バッテリーを取り外すとSIMカードスロットが現れ、携帯電話を利用する場合はここに通信事業者のSIMカードを挿入する。通信方式はHSDPA/UMTS(W-CDMA)/EDGE/GPRS/GSMとなっており、HSDPA利用時には最大1.8Mbpsでの通信が可能だという。ドイツではCeBITに合わせてT-MobileがHSDPAの商業サービスを開始しており、ブースでは実際にHSDPA網を使った高速データ通信のテストも行っていた。ドイツでの販売は家電店やPCショップのほか、T-Mobileの直接販売も行われる予定だ。
バッテリーをはずすとSIMカードスロットがある。下に見える白く細いものが実際に挿入されたSIMカードだ(左)。実際にHSDPA接続のテストを行っていた、サイズの大きいページもストレスなく快適に閲覧できた(右)
CPUは超低電圧版Intel Core Soloで、チップセットはIntel 945GMS/ICH-7M。メモリはオンボード512Mバイトと1Gバイトの2タイプが発売される。ディスプレイは12.1インチのワイドXGA(1280×800ピクセル)液晶を搭載。本体にはPCカード、SDカード、USB 2.0、IEEE 1394、オーディオIN/OUT、VGA/LAN(専用変換プラグ)の各種インタフェースを装備する。光学ドライブは内蔵せず、付属のポートリプリケーター内にマルチ書き込み対応のDVDドライブを搭載している。
サイズは297×219×19.9ミリと厚さ2センチを切っており、重量も1キログラムと軽量。本体にはマグネシウム合金を採用し、背面は高級感のあるピアノ調ブラックの塗装で仕上げられている。Bluetooth 2.0および無線LAN(IEEE802.11a/b/g)にも対応。バッテリーは装着時に本体の厚さと同じになるSサイズと、大容量のLサイズが付属し、Sサイズで2時間程度、Lサイズで8時間程度の利用が可能だという。今年5月から全世界で発売予定するとしており、価格は4000ユーロ(約56万円)。日本での発売については明確な回答を得られなかった。
厚さ19.9ミリ、重さ1キログラムの薄型軽量ボディ。右に見えるのは厚みのあるLサイズバッテリー(左)。DVDドライブや拡張コネクタを備えるポートリプリケーター。Q2010本体にLサイズバッテリーを取り付けた状態でも、ポートリプリケーターに装着できる(右)
なお、今後の通信機能内蔵ノートPCのラインアップについて説明員は「今のところQ2010とLIFEBOOK E8210のカスタマイズモデルの2機種しかないが、来年には多くの同社製ノートPCに通信機能が搭載されるだろう」と話していた。
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