Mac OS Xで作業しながらGyaOを見る、は本当か?――「Parallels Workstation」を検証する(3/3 ページ)
既報の通り、Intel Mac初の仮想化ソフトである「Parallels Workstation 2.1 β3 for Mac OS X」がリリースされた。Mac OS XとWindows XPの同時利用を“実用的な”速度で実現できるのであれば、デュアルブートになる「Boot Camp」より使い勝手はいいはず。さっそくこれを試してみた。
ベンチマークテストの結果は?
最後にベンチマークをとってみた。とはいうものの、最近のベンチマークソフトはDirect X 9以上が必要なんてものが多くてParallels Workstationの環境では動かすことができない。おなじみPCMark05はGraphicsのテストがすべてエラーになってしまう。
そこでシンプルなHDBenchに登場してもらうことにする。
比較したOSはWindows XP Professional(SP2)。グラフは上から、Boot Campを使って起動したときの数値(メモリ512Mバイト)、Parallels Workstation(β3)での数値(メモリ112Mバイト)、Parallels Workstation(β3)で同時にWindows 2000を起動しているとき時の数値(メモリ112Mバイト)、Parallels Workstation(β2)のときの数値(メモリ156Mバイト)だ。β2のときには仮想マシンの複数起動を考えてなかったので、メモリをフルに割り当ててある。また、画面サイズはBoot Campも含めてすべて1024×768ドットで統一した。ただしBoot Campの画面は32bit、Parallels Workstationのものは24bitだ。
Parallels Workstation(β3)の結果を見ると、CPUとメモリのスコアはBoot Camp時のだいたい半分になっている。グラフィックスはビット数の違いを考慮しても意外に健闘しているものの、DirectDrawはどうしようもない。HDDは実体がイメージファイルであることを考えれば健闘しているといえる。また、複数の仮想マシンを立ち上げても速度にはほとんど変化はない。
なお、β2からβ3へのバージョンアップでほとんど1.5倍くらいに速度が上がっていることも分かる。これなら次のバージョンではどうなるのかつい期待してしまう。
これはかなり期待できるのだ
まだまだβ版なので、実装されていない機能も多い。USBのサポートやフルスクリーン表示などがそれだ。今まで見てきた中にもサウンドなど未完成なところもある。でも、全体としてはかなり期待が持てるソフトだ。Intel MacでWindowsを使う場合の現実的な選択肢になることは間違いない。Mac OS Xで同時に作業したいときはParallels Workstation、ゲームなどでマシンの性能を100%引き出したいときはBoot Campといったように使い分けをすることになるのだろう。
ただ、これはβ版だからというのではない問題点を最後に挙げておく。Parallels Workstationはダイアログの「OK」ボタンの位置がMac OS のデザインに反しているのだ。Mac OSでは一番右にOKなり実行なりのボタンが来るのが標準だ。ところが、Parallels Workstationはこれが一定していない。だいたいは左側にOKというのが多いようだが(これはWindowsの流儀)、Configuration Editorでは右にあったりする。
これはMac OS Xのソフトなのだから、Mac OS Xのユーザインタフェースに準じていないと指が混乱するのだ。と、Parallels Software International社に報告することにしよう。
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