きょうはAthlon 64 FX-62の超性能に酔ってみた(2/4 ページ)
Socket AM2に対応したAMDのCPUが登場した。DDR2に対応した新しい“Rev.F”コアがもたらすパフォーマンスを早速見てみよう。
Socket AM2とRev.Fとチップセットの関係は?
これ以外の点は、基本的には従来の「Rev.E」と同じになる。デュアルコアで各コアのキャッシュは128Kバイト(命令64Kバイト+データ64Kバイト)のL1キャッシュ、1MバイトのL2キャッシュという構成になっている。なお、Rev.Eと同じようにL2キャッシュが512KバイトのCPUも用意されており、今回は動作クロックが2.6GHzのAthlon 64 X2 5000+がリリースされている。なお、FX-62の動作周波数は2.8GHzでAthlon 64 FX-60の2.6GHzに比べて引き上げられた。
なお、熱設計消費電力だが、FX-60の110ワットからFX-62が125ワットと増えているのに対して、Rev.FのAthlon 64 X2のすべてのグレードは従来の110ワットから89ワットへと引き下げられている。これは、FX-62が1.35ボルトから1.4ボルトとやや高めの電圧で駆動しているのに対して、Rev.FのX2に関しては1.30ボルトから1.35ボルトとやや低めの電圧で駆動されていることなどが影響していると考えられる。なお、いずれもCool'n Quietテクノロジにも対応しており、PCの負荷が低いときには消費電力を引き下げることも可能だ。
Athlon 64 FX-62 | Athlon 64 X2 5000+ | |
CPUソケット | Socket AM2 | Socket AM2 |
製造プロセスルール | 90nm SOI | 90nm SOI |
CPUコア | 2 | 2 |
L1キャッシュ(命令+データ) | 128KB(64KB+64KB)×2 | 128KB(64KB+64KB)×2 |
L2キャッシュ | 1MB×2 | 512KB×2 |
トランジスタ数 | 2億2740万 | 1億5380万 |
ダイサイズ | 230平方ミリ | 183平方ミリ |
ノーマル電圧 | 1.35〜1.40ボルト | 1.30〜1.35ボルト |
TDP | 125ワット | 89ワット |
Icc_MAX | 90.4アンペア | 66.2アンペア |
ケース内温度 | 摂氏55-63度 | 摂氏55-70度 |
C'n Quiet有効時最低クロック | 1GHz | 1GHz |
最低電圧 | 1.1ボルト | 1.1ボルト |
最低クロック時TDP | 38ワット | 31ワット |
最低クロック時Icc_Max | 31.1アンペア | 25.5アンペア |
利用するには新しいSocket AM2マザーボードが必須
今回登場した新しいK8系CPUはソケットも従来のSocket 939から940ピンのSocket AM2へと変更された。ただし、先ほども説明したようにCPUのスペックとしての違いはサポートするメモリのみということになるので、基本的に従来のSocket 939マザーで使われてきたチップセットがそのままSocket AM2マザーでも利用することができる。しかし、Socket AM2用に新たなチップセットをリリースするチップセットベンダもある。NVIDIAは、Socket AM2のリリースに合わせて新しいチップセット「nForce 500」シリーズをリリースしている。このほか、VIA、ATI、SiSなどのK8向けチップセットは、そのままSocket AM2用のチップセットとして利用できる。
ただし、Socket AM2はSocket 939と比較してピン数が増えているだけでなく、電気信号的にピン配置も変更されているため、いままでのSocket 940マザーボードやSocket 939マザーボードではSocket AM2対応のAthlon 64 FXと同X2は利用できない。Socket AM2対応のCPUを利用する場合には必ずSocket AM2に対応したマザーボードが必要になるので注意が必要だ。もっとも、Socket 939とSocket AM2ではピンの配置が異なるので間違って差す心配はないが。
なお、従来のCPUクーラーは利用できるものとできないものに分かれる。リテンションが2つの接点で固定する形式になっている製品はそのまま使える可能性がある。ただし、リテールキットにはSocket AM2用のCPUクーラーがバンドルされている。できる限りそちらを利用するのがいいだろう。
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