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その性能に驚愕せよ──インテルがIntel Core2 Duoの性能を公開イマドキのイタモノ(2/3 ページ)

Conroe(開発コード名)こと次世代マイクロプロセッサ「Intel Core2 Duo」は7月に出荷を開始する見込み。それに先だってインテルはその評価用実機を公開した。この記事ではそこで得られたデータからIntel Core2 Duoの性能に迫ってみたい。

Intel Core2 DuoはAthlon 64 X2を超えられるのか

 プレビューワークショップでは、すでに述べたようにIntel Core2 Duo(動作クロック2.66GHz)とIntel D975XBXを基幹に構成された評価用PCを使うことができた。ただし、パーツ構成は一切変更不可で、かつ自前のソフトウェアのインストールができないなどの条件がつけられていたほか、「作業時間3時間」という限られた時間という条件がつけられていた。

 このため、筆者のベンチマーク記事で通常利用しているソフトウェア(たとえばSYSmark2004 SEやTMPGenc 3 XPRESSなど)は利用できなかった。また、マシンの構成が変更できなかったため、比較対象としては“インテルが用意した”Athlon 64 FX-60を2.6GHzから2.8GHzへオーバークロックしたシステムのみが利用できる状況だった。Intel Core2 DuoマシンとAthlon 64 FX-60オーバークロックマシンは、CPU、メモリの規格、マザーボード以外はすべてのパーツが同等で、かつドライバなども同じバージョンが適用されていた。

 なお、Athlon 64 FX-60がなぜオーバークロックされているのかはとくに説明はなかったが、疑似Athlon 64 FX-62という狙いがあるものと見られる。ただ、本物のAthlon 64 FX-62はメモリはDDR2-800に対応しているので(Athlon 64 FX-60はDDR400のみ)、今回測定した値より実際には最大5%程度の性能向上があると考えられるだろう。

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 なお、筆者は比較データとして、Pentium XE 965とIntel 975Xを組み合わせたシステムで追加測定を行っている。ただし、インテルが用意した環境とは、グラフィックスカードが異なっていること(RADEON X1900 CrossFire>RADEON X1800 CrossFire)、HDD(Maxtor 6L300S5>Maxtor 6B250S0) が異なっているなどの相違点がある。CPUやメモリに依存するテストではほとんど性能が変わらないと想定できるものの、3Dに関しては明らかに異なるため、今回のレビュー記事では3D関連ベンチマークにPentium XE 965の結果は掲載しない。

 このように、今回の評価は通常のレビュー記事のベンチマーク環境と大きく異なり、かつ、制約が多数ある状態での作業となっている。そのため、正式リリース後にもう一度整った状況でIntel Core2 Duoのパフォーマンスを評価する必要があると考えている。今回はそれまでの参考結果、文字通り“プレビュー”と考えていただきたい。

マルチスレッドだけではなくシングルスレッドでも速いIntel Core2 Duo

 それでは、ワークショップで筆者が入手した結果から、Intel Core2 Duoの性能をチェックしていきたい。

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PCMark05 V1.1.0 CPU
PCMark05 V1.1.0 Memory
PCMark05 V1.1.0 Video Encoding
PCMark05 V1.1.0 メモリレイテンシ

 PCMark05は、コンポーネントごとに細かな計測を行うタイプのベンチマークで、PCの総合的な性能を評価するにはあまり適していないが、コンポーネントレベルでの性能測定には向いている。PCMark05には、このほかにもHDDやグラフィックスなどの結果もあるのだが、今回はPentium XE 965の環境でHDDやグラフィックスカードが異なるためその項目は省いている。

 結果は、CPU、Memory、そしてある意味CPUに依存するテストであるVideo EncodingのいずれもIntel Core2 Duoが上回っている。ただし、メモリレイテンシに関しては、やはりAthlon 64 FXに一日の長がある。Pentium DからIntel Core2 Duoになってもチップセットは同じIntel 975Xで、メモリコントローラはレイテンシの長いパラレルバスを介して接続されるノースブリッジ側にある。この点は、依然としてIntel Core2 Duoの弱点であり続けている言えるだろう。もっとも、それ以外の結果ではAthlon 64 FXを上回っていることから、メモリレイテンシ以外の拡張部分で稼いでいる部分が、このメモリレイテンシの問題をカバーしてくれているのだととも言える。

3DMark06 総合スコア
3DMark06 CPU
Quake4 Timedemo

 3Dベンチマークの比較では、3DMark06の総合スコアとCPU Scoreの結果が分かりやすいだろう。3DMark06の総合スコアは基本的にはGPUの性能に依存しているのであまりCPUの違いによる差は出ない。しかし、解像度が低い条件の結果は、3D GPUの処理能力を余らせている状態にあるのでCPU性能の差が出てくる。結果を見て分かるように、どの解像度でもIntel Core2 DuoはAthlon 64 FX-60(オーバークロック)を上回った。ほかの結果も同様で、Intel Core2 DuoがAthlon 64 FX-60(オーバークロック)を上回っている。

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